スナップが大統領のアカウントを制圧、「人種偏見を許さない」

Photo by studioEAST/Getty Images

スナップチャットを運営するスナップ(Snap)は6月3日、ドナルド・トランプ大統領のアカウントを、アプリの前面にある「ディスカバータブ」で表示しない措置を講じると宣言した。

トランプのアカウントはこれまで、DJキャレドやカイリー・ジェンナーらのセレブと並んでディスカバータブに表示されていたが、今後は検索を行わない限りたどり着けなくなる。

スナップは声明で「当社は人種的偏見にもとづく暴力や、不正を増幅するアカウントをディスカバータブで告知することを許さない」と述べた。トランプは、ミネアポリスで発生した警官による黒人男性の殺害事件を受けて巻き起こった、抗議デモの嵐にさらなる燃料を投下した。

大統領は「略奪が始まれば、銃撃が始まる」とSNSに投稿したほか、抗議活動家たちを「制圧せよ」と当局に呼びかけ、「凶暴な犬ども」に武器使用を検討するよう促した。

スナップCEOのエヴァン・スピーゲルは6月1日、社員宛ての長文のメッセージを公式サイトに掲載し、「我々は人種的偏見に基づく発言を一切許さない」と宣言した。

トランプの選挙キャンペーンを統括するブラッド・パースカルは、スピーゲルが「過激な思想を持つ人物だ」と述べ、「彼は極左勢力が暴力を呼びかける動画を放置し、利用者らに米国を破壊させようとしている。保守派の人々は彼をプラットフォームから追放したがっている」と述べた。

ツイッターはトランプの投稿にラベルをつけ「暴力を賛美する内容である」との注意書きを加えたほか、ファクトチェックへの誘導リンクをつけ、彼の発言を否定する専門家の見解が書かれた記事に誘導した。

トランプはこれを受けて、ツイッターが2020年の大統領選を妨害し、言論の自由を脅かしていると発言し、ソーシャルメディアの規制強化につながる大統領令を発令した。

スナップチャット上のトランプの公式アカウントには、彼の選挙キャンペーンに献金するサイトへのリンクがあるほか、公式ストアへのリンクや数種類のフィルターが用意されている。さらに、トランプのファンが彼と並んで赤いキャップをかぶり、自撮りを楽しめるARツールなども用意されている。

スナップチャットは米国の10代の間で最も人気のソーシャルメディアとされており、今年3月末時点のデイリーアクティブユーザーは2億2900万人に達していた。

編集=上田裕資

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