「ジョージ・フロイド」の検索回数、コロナウイルスやトランプを超える

6月3日ワシントンにて(Photo by Yasin Ozturk/Anadolu Agency via Getty Images)

米国のグーグル利用者が過去7日間に行った「ジョージ・フロイド」の名前の検索回数は、「ドナルド・トランプ」や「コロナウイルス」を上回ったことが明らかになった。人々がジョージ・フロイドの事件に寄せる関心は、近年発生した警官が絡む他の死亡事件を大きく上回っている。

5月25日、ミネアポリスで武器を持たない黒人男性のジョージ・フロイドを取り押さえた白人警官のデレック・チョーヴィンは「息ができない」と悲鳴をあげるフロイドを、膝で9分近く押さえつけ、死亡させた。その動画がソーシャルメディアで拡散すると、全米各地で抗議活動が発生し、1週間以上に渡り怒りの炎が吹き荒れることになった。

その結果、ジョージ・フロイドの名の米国のグーグルでの検索回数は、コロナウイルスやドナルド・トランプなどを上回ったことが、グーグルトレンドのデータで明らかになった。

フロイドの名の検索回数は、ここ数年の間に警官の暴力によって命を落とした他の犠牲者(マイケル・ブラウンやエリック・ガーナー、フィランド・カスティールなど)を大きく上回ったことも判明している。

フロイドの名前と同時に検索されたキーワードとしては、「memorial fund(追悼基金)」や「autopsy results(検死解剖結果)」「riots across America(全米での暴動)」などがあげられる。

米国では先週の中盤からフロイドの殺害現場の動画がSNSを席捲し、それまでメディアの中心だったコロナウイルス関連の報道をかき消した。さらに、彼の殺害事件に反発する抗議行動は全米に拡大し、ドナルド・トランプが軍の投入をほのめかす事態につながった。

5月30日にニューヨークでデモ行進を行った活動家らは「彼の名を叫べ! ジョージ・フロイド!」の掛け声と共に街を練り歩いた。

今回のグーグルトレンドのデータは、フロイドの死にかつてない規模の関心が注がれていることを示している。前大統領のバラク・オバマは6月3日、抗議活動家たちに対し、このムーブメントを永続的なものにし、草の根から民主的運動を広げていくように呼びかけた。

「時が経てば人々の関心が弱まることもあるし、活動の規模が縮小することもあるだろう。最も重要なのはここで生じた気運を国家レベルに高め、推進していくことだ」と彼は続けた。

フロイドの死を受けて、かつての公民権運動の象徴として知られるマーティン・ルーサー・キング牧師関連のワードの検索回数も伸びている。

編集=上田裕資

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