「将来つきたい職業」の1位。次世代クリエイターを育成するアカデミーが新たに誕生


── ただ、アカデミーの設立は「ニーズがありそうだからとりあえずやってみよう」で始めるにはリスクが高く、成功する事業としての明確な裏付けが必要だと思います。どのような観点を持ってマーケット調査を行っているのでしょうか。

一つ目は、産業界からニーズがあるかどうかです。バンタンが展開しているのは教育関連の事業なので、育成した人材を欲しがる人がいなければ存在意義がなくなってしまいます。二つ目は、目指す若者がいるかどうか。いくら産業界からニーズがあっても、入校希望者がいなければアカデミーは成立しません。三つ目は、その産業界の市場がどれくらい伸びているのか、競合となる教育機関がどれほど存在するのか。

今回でいえば、専門学校市場のなかで芸能、芸術、舞台技術などの「文化教養」領域は107%の成長を遂げていました。その上、他の専門学校は「テレビで活躍できる人材」の育成を目指しているので、競合が少なかったんです。ニーズがあり、市場も伸びており、競合もいない。開校に必要な条件がそろっていました。

「経験」に重きを置いた教育方針


── ところで「動画クリエイター」の専門学校は他にもいくつか存在していると思います。バンタンクリエイターアカデミーでは具体的にどのようなことを学べるのでしょうか。

社会で動画クリエイターとして活躍するために必要な能力全てです。最近は動画クリエイターが増えており、動画コンテンツ界隈は激戦区。そんな中で活躍しているクリエイターに目を向けると、キャラクター設定、パフォーマンス、プレゼンテーション、撮影、企画、分析などさまざまな能力と技術が必要であることがわかります。さらに、売れっ子になるとチームで動くケースもあるので、その場合はチームマネジメントの力も必要になってきますよね。

── 感性や動画づくりの技術だけでなく、ロジカルなマーケティング的思考も養えるということですね。そのために取り入れているカリキュラムとして、特徴的なものがあれば教えてください。

最大の特徴は、UUUMさんや他企業様と連携し、週5日の長期有償インターンシップの機会を提供する点です。社会で活躍できる人材に成長するためには実践経験を積むことが一番の近道ですし、プロと共に働くことで即戦力を身につけられるはずです。また、有償インターンである分、頑張った結果が目に見える形になって表れるので、モチベーションの向上にもつながると考えています。

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── インプットとアウトプットを同時にすることで、成長角度もグッとあがりそうですね。

そうなんです。日本では「インプット」に重きを置いた教育が多いですが、我々は何よりもアウトプットが大切だと考えています。また、その観点からピア・ラーニングを取り入れているのも特徴の一つです。自分が持っている知識を他人に教えることで、より深い知識の定着が見込めると考えています。

ちなみに、ピア・ラーニングの目的は知識を定着させることだけではありません。社会に出ると、性格や能力、立場の違う者同士が力を合わせて課題解決にあたることが求められます。バンタンでは年齢の違う者同士が一緒に授業を受ける機会があるので、社会に出る前に価値観や興味関心が大きく異なる相手と共にものづくりをする経験を積めるんです。そういった働き方の面も含め、社会に通用するスキルを身につけてほしいと考えています。
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文=倉益璃子

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