トランプの選挙事務所は2日、「警官隊が催涙ガスを用いた事実は無い」と、この報道を否定した。しかし、警察はメディアの取材に対し、「ペッパースプレーを使用した」と述べている。米国のCDC(疾病予防管理センター)はペッパースプレーを催涙ガスの一種に区分している。
トランプ陣営の広報担当は、フォーブスを含むメディアに対し、「トランプの記念撮影を妨害するデモ隊を排除するために、催涙ガスが使用された」とする記事を撤回するよう求めている。
広報担当が反論の根拠としているのは米国の公園警察の声明で、そこには警官が使用したのが催涙ガスではなく、「発煙筒やペッパースプレー弾」だったと書かれている。
しかし、CDCが公開している資料では「催涙ガス」という用語がペッパースプレーを含む様々な、致死性を持たない暴動鎮圧用の物質に適応可能であるとされている。複数のメディアの報道によって、抗議活動家らが閃光弾や刺激物の噴射を受けるまでの間、平和的な抗議活動を行っていたことが確認されている。
保守系のニュースサイトThe Federalistは2日、「大手メディアは催涙ガスが使用されたとのフェイクニュースを拡散している」との記事を掲載し、トランプはその記事をリツイートしたが、これまで記事を撤回した大手メディアは1社も無い。
フォーブスはトランプの選挙事務所及び公園警察にコメントを求めたが、現時点で回答は得られていない。
CNNやニューヨーク・タイムズ(NYT)、ワシントン・ポストの報道によると、トランプは先週金曜日の夜に「デモ隊がホワイトハウスに接近した際に、地下室に逃げ込んだ」との報道に激怒しており、そのため、ホワイトハウスの外での写真撮影を望んだのだという。
ワシントン・ポストの記事によると、デモ隊の排除を命じたのは司法長官のウィリアム・バーだったという。
民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員は2日、司法省の監察総監室に対しウィリアム・バーが今回の件で果たした役割の調査を行うよう要請した。