閑古鳥のレストランで「マネキン」活躍 世界のコロナ対策に学べ

©Café Central at Palais Ferstel, Vienna

ソーシャルディスタンスのガイドラインを守るために、世界中のレストランが知恵を絞っている。半分しか客を入れられない店内の雰囲気を盛り上げると同時に、客に座る席を知らせるためのアイデアが次々と編み出されている。

1940年代当時の服に身を包んだマネキンたちがテーブルについているのは、田園風景の広がるバージニア州ラッパハノック郡にある、ミシュランで三つ星を獲得した「イン・アット・リトル・ワシントン」のダイニングスペース。


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レストランの営業再開にあたり、バージニア州政府はソーシャルディスタンスを守るために客数を半分にするよう要求した。5月29日の営業再開日に、シェフのパトリック・オコーネルは空きテーブルにマネキンを座らせることにした。

休業している余裕はない


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サウスカロライナ州のレストランではドレスアップした風船人形を空きテーブルに座らせ、客がソーシャルディスタンスを保てるようにしている。

サウスカロライナ州テイラーズのレストラン「オープン・ハース」のオーナー、パウラ・メレヘスはNBCの地元局のインタビューに応え、ドレスアップした風船人形をアマゾンで購入し、ひとつおきのテーブルに置くことで、店内がガラガラだと客に感じさせないようにした。

さらに、手指の除菌ローション・ディスペンサーを設置し、メニューも使い捨てのものに変え、従業員と客の体温を測ることにした。「休業している余裕なんてありませんからね」とオーナーは言っている。

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等身大のマネキンが座っているのはオーストリアのウイーンにある有名な「カフェ・セントラル」/Shutterstock.com

最近、オーストリアのウイーン市インネレシュタットにある有名なコーヒーハウス「カフェ・セントラル」では等身大のマネキンがあちこちに座っている。政府がすべてのカフェやレストランの再開を認めた5月15日以来、ウイーンのバーやカフェは客用のスペースを確保し、ソーシャルディスタンスの規則をしっかり守れるようにと、店内にマネキンを配置しているのだ。

ドイツのレストランは客同士の間隔を1.5メートル以上とらなければならない。ニーダーザクセン州ラッツェンにある「ホテル・ハーセ」のオーナー、ウルリケ・ハーセは人間そっくりの人形をレストランのテーブルにつかせて店がにぎわっているように見せている。
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翻訳・編集=川崎稔/S.K.Y.パブリッシング

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