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5月30日 午後3時頃のマンハッタン・ユニオンスクエア付近のプロテスト(撮影:Brian R. Moore)

アメリカ・ミネソタ州ミネアポリス市で5月25日、白人警官が拘束していた黒人男性の首を膝で抑えつけ圧迫死させた事件がきっかけとなり、アメリカ各地で黒人を中心に人種差別に対する抗議(プロテスト)が活発化している。

事件で死亡したのはジョージ・フロイド氏。同氏は白人警官に圧迫されている間「I can’t breathe(息ができない)」と訴え続け、助けを求めた。この一部始終を捉えた動画は、ソーシャルメディアで拡散された。

今回に限らず、これまでの白人警官による度重なる黒人への不祥事に、人々は怒りを抑えきれない。大規模な抗議集会はニューヨーク市でも行われ、日に日に過激さが増している。「BlackLivesMatter」「I can’t breathe」など、さまざまなメッセージが書かれたプラカードを持った人々が街を行進して黒人差別を訴えているのだ。

しかし、昼間の抗議から一転、プロテスター(抗議参加者)は夜になると暴徒と化す。2日目の抗議集会では、警察車両に火炎瓶を投げ込んだ殺人未遂も含め、約200人が拘束された。3日目は過激さを増し、約350人拘束。ユニオンスクエアにプロテスターが集結し、ゴミ箱が燃やされ、警察車両が次々と放火され、洋服店や家電店では、窓が割られ商品が強奪された。警察官とプロテスターの衝突は、深夜過ぎまで続いた。

4日目の本日の午後5時現在。公式には抗議が行われる予定はないはずだが、マンハッタンのブライアントパーク付近で抗議集会が自然発生している。


(筆者友人撮影)

「やはり」と「どうしてここまで」複雑な想い


私は朝のニュースで目にした暴徒と化したプロテスターの姿に、なぜか心が苦しくなった。私もニューヨークに住む有色人種だ。また、黒人系やアジア系の知り合いも多く、平時から「人種差別」は身近な話題だった。

そのため、今回の抗議のニュースを見て、「やはり」という想いと「どうしてそこまで」という複雑な想いになった。

新型コロナウイルスを乗り越えるため、ニューヨークはここ3カ月間ひとつになって取り組んでいる、そんな風に思える映像が連日ニュースで報道されていた。毎日夜7時にはエッセンシャルワーカーを応援するための拍手で街が包まれ、道路やお店の壁などいたるところにサンキューメッセージが掲示され、毎日行われているクオモ州知事による会見では「ニューヨーカーが一丸となり協力してきた結果が出てきた」という労いのメッセージもあった。

文=吉田優華子

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