「ベトナム製電気自動車」が米国進出へ、11月にLAで展示予定

パリモーターショー2018で展示されたビンファストLUX SA 2.0 SUV(Photo by Chesnot/Getty Images)

ベトナムのコングロマリットである「ビングループ(Vingroup)」傘下の自動車メーカーが、首都ハノイでEV(電気自動車)のテストを実施し、来年の米国市場への進出に備えている。ビングループは不動産からホテル・リゾート開発、遊園地事業、スマートフォンの製造及び販売などの多角的事業を展開しており、EVの製造にも乗り出した。

ビングループの広報担当者によると、同社傘下の「ビンファスト(VinFast)」は今年11月のロサンゼルスモーターショーに出品する同社初のEV車両のテストを実施中だ。ビンファストは2021年7月から車両の量産を開始し、米国市場に投入するという。

この車両は1回の充電で最大500キロの走行が可能で、世界最大のEV向けバッテリーメーカーの1社である韓国のLG化学製バッテリーを搭載している。ビンファストの車両のデザインはイタリアの名門であるピニンファリーナが手がけた。

ビングループは車両の販売価格や、EVの開発費用については回答を避けた。

ビンファストは既にベトナムで3車種のガソリン車を販売中で、ビングループが15億ドル(約1600億円)を投じたハイフォンの工場で生産された電動バイクの販売台数は、昨年11月時点で3万台を超えたという。ハイフォンの工場では年間25万ユニットの製造が可能で、今後は100万ユニットまでの増産を視野に入れている。

2019年の売上が約55億ドルに達したビングループは2018年から自動車製造を開始しており、ベトナムで初めて自動車の大量生産に乗り出したメーカーとして知られている。ビングループの会長を務めるのはベトナムのトップの富豪のファム・ニャット・ブオン(Pham Nhat Vuong)だ。

国際エネルギー機関(IEA)のレポートによると、世界のEVの年間販売台数は2018年に約500万台だったが、2030年までに4400万台に達する見通しという。

編集=上田裕資

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