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JAL、ANAともに来年度入社の採用活動を中断


ANAグループでは5月8日、2021年度入社に向けた採用活動を一時中断することを発表した。さらに5月28日にはJALでも21年度入社の採用活動中止が発表された。ネット上では「今年就活できるのかな」「今まで準備してきたのにショックすぎる」との声もあり、これまで航空業界を目指して就職活動を行っていた人々にとっては苦しい現実であることが想像できる。

ANAでは当初グループ37社で計3200名の募集を予定していた。またJALでは、2020年度はグループ34社で2315名が入社した。採用人数における客室乗務員の人数は特に多く、2015年度には1000人以上の客室乗務員職を採用していたANAは、2021年度入社でも460名程度の採用を予定していたという。JALも同じく400名程の採用を予定していた。

LCCの就航や国際線発着回数の増加により、CAの採用人数は拡大の傾向にあった。しかしアフターコロナの世界では、長時間狭い空間内で乗客とコミュニケーションを取らなければならない仕事の形態が見直され、少しでも密を減らすべく、搭乗する人員の削減も免れないだろう。

また、地上カウンターでの荷物預けには機械が導入されている海外の空港もある。新型コロナを経てこのような業務の自動化が加速し、人員の再考も急ピッチで進められていくのかもしれない。

JAL

需要減の業界から需要増の現場に 生まれるニーズ


米大手航空会社デルタ航空では3月から、アメリカ各地の13の空港から国外70カ所への運行を行っている。しかし航空の目的は乗客を運ぶためでなく、貨物輸送を行うためだ。こうした動きは他国の航空会社でも行われており、物流需要の増加によりニーズが見込まれるという。

航空会社が新たな市場を開拓する動きは以前からあり、ANAでは2018年からJAXA(宇宙航空研究開発機構)などと連携して、宇宙関連事業に乗り出している。昨年6月には、飛行する航空機から人工衛星を打ち上げるビジネスを手掛ける米ヴァージン・オービット社との提携も発表しており、日本やアジアでの宇宙産業を牽引しようとしている。宇宙関連事業の市場規模は今後100兆円ともなるとの予測もあり、空を越えた宇宙ビジネスに収益を望みたい狙いだ。

厳しい様相を呈する航空業界。今後は、新たな需要を見出し、いかに適所にアプローチをするかが生き残りの鍵となるだろう。よりミニマムな人員体制にシフトしつつ、副業を認めるなど柔軟な働き方や、業務内容にも大幅な変化が求められそうだ。

文=河村優

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