トランプに対する国民の支持に、パンデミックが大きな打撃を与えていることは明らかだ。トランプは新型コロナウイルスの危機に直面して以降、公衆衛生の専門家らの助言を軽んじるような言動を頻繁に取ってきた。効果が証明されていない治療法を何度も宣伝し、執拗に(ツイッターへの批判など)ほかの問題を取り上げようとし、批評家たちから厳しく非難されている。
一方、この世論調査が実施されたのは、ミネソタ州ミネアポリスで黒人男性ジョージ・フロイドが警察に拘束され、死亡したことをきっかけに全米に抗議行動が広がる直前だ。そのため、現時点ではすでに、トランプに対する支持・不支持が変化している可能性もある。
共和党の大統領の場合は歴史的にみて(たとえばリチャード・ニクソン元大統領のように)、市民の暴動が有利に働く傾向があると指摘する人もいる。それは、刑事司法における法と秩序に関する同党のスタンスのためだという。
だが、全米各地でいま起きている暴動は、トランプ政権下で発生したものだ。そして、トランプがツイッターに扇動的なコメントを投稿する一方、バイデンはかなり冷静な口調を維持しており、トランプの言動とは著しい対照をなしている。これらの事実はトランプへの評価にとって、有害無益ではないかとの見方もある。