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「良質な食レビュー x レコメンデーション」による新たな進化


「グルメサイトの多くが、Web上におけるマーケティングの進化の賜物だと思っています。一方で、マーケティング費用やノウハウがない飲食店事業者にとっては、どんなにおいしい料理を提供しても評価されづらい現状がありました」

本当に美味しい店は、検索結果に出てこない。この状況を打破するには、飲食店側と美味しい店を探すユーザーの間にあるべきマーケティングを整理する必要がある。その課題解決の一手になると考えたのが、SNSだった。

「ネット検索以外で飲食店を探すとき、親しい人や食の趣味が近い人に尋ねることがほとんど。ならば、メディア型ではなく、自分に近い人と情報交換をしやすいSNS型のほうが、本当に美味しい店と出会える確率が高まるのではないかと思ったんです。

また、飲食店事業者のなかには、食レビューに対して不信感を持っている人も少なくありません。しかし、悪気があって書き込んでいるわけじゃないユーザーもいる。シンクロライフの場合、SNSであることから、自分のリアルな知り合いや価値観の近いフォロワーに向けて食レビューを書くことになります。つまり、悪質な食レビューは書き込まれにくい風土がすでに整っているわけです」

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シンクロライフでは、SNS内に導入されたAIが、ユーザーの書き込みや行動履歴、フォロワーとの関係性をもとに食の好みを分析。検索結果などをパーソナライズすることで“ハズレなし”のレコメンデーションが行われ、利用に応じてよりレコメンド精度が上がります。

そして現在、SNS内に掲載されている飲食店は約10万店舗。海外展開も視野に入れていることから、アプリは4言語に対応。世界155カ国にある「美味しい店」をレコメンドできる。

「各ユーザーが好みに合った飲食店へ訪れ、『美味しかった!』の喜びからSNS内に良質な食レビューを増やしていく。この『良質な食レビュー x レコメンデーション』こそ、グルメサイトにおける次の進化だと思っています」

食レビューの報酬は独自の暗号通貨


シンクロライフでは、値段に関わらず「美味しいもの」への探究心が強いユーザーを「食いしん坊」と呼び、彼らをターゲットにサービスづくりを行っている。そんな食いしん坊らをSNSに呼び込み、レビュワーとして継続利用させるために注目したのが、冒頭でも登場した「報酬制度」だ。

「どのグルメサイトでも、レビュワーになるユーザーは全体の3%ほど。なぜなら、彼らに対する報酬制度がないからです。そこで、シンクロライフではブロックチェーン技術を使い、レビュワーが良い食レビューかつ反応が高いものに対して報酬を支払うシステムを取り入れました」

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「食レビューは楽しめるものであるべき」。しかし、報酬として導入されたのは現金ではなく、シンクロライフ独自の暗号通貨「シンクロコイン」。

「僕らとしては、とにかく、良いレビューを集め続けることが第一。報酬対価を暗号通貨にしたのは、世界中どこでも使えて、かつ共通の価値があるものだから。そのため、暗号通貨も、市場で取引されている時価総額で付与されるシステムになっています。売上と連動しているので、サービス向上とともにシンクロコインの価値が形成されます」

レビュワーは、食レビューに対するリアクションに応じてシンクロコインを貯めていくことができる。貯まったシンクロコインは、アプリ内でミスタードーナッツやドン・キホーテなどで使えるチケットを購入可能。実店舗で商品を受け取れる仕組みになっている。

「今後はSNS連携をさらに広げ、金融やギフト、旅行など、人が行動するすべての領域をつなきたいと考えています」

文=福岡夏樹 人物写真=小田駿一

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