ビジネス

2020.06.02

設立4年で上場を経て、新たに見つけた使命──社会全体を「想像を超えるもの」に

(左)Beyond Xの梅谷雄紀 (右)Beyond Xの水谷亮


社会全体を「想像を超えるもの」にしたい


今から6年前。2014年に創業したand factory。同社は失敗の可能性が低く、早期に利益を創出できる可能性が高いアプリ事業からスタートし、1年目からEBITDA(営業利益と減価償却費の和)ベースで黒字化を達成。その後、漫画アプリ、IoTを活用したスマートホステルにも参入し、多角的に事業を展開していった。

急速な事業展開とそれに合わせた人材採用、複数の上場企業との資本提携や業務提携──これらを行う過程で、上場を果たすことは1つの大きなチャレンジであり、至上命題になっていった。とはいえ、社内の誰もが“上場”を経験したことがなく、そこに向かって挑戦し続けていくことは、常に見えない恐怖との戦いだったという。

「始める前は暗闇の中を手探りで進むような『見えない恐怖』がありました。ただ、そんな恐怖も、個々のメンバーが持つ可能性・能力と経験の積み重ねが織りなす強い意志と信頼によって乗り越えることができました。困難を乗り越えて学んだことは、あらかじめ想像していたことは1〜2割しか当たらないということ。創業したらどうなるか、上場後にどんな変化が訪れるかなどのまだ見ぬ世界について、飛び込む前にあれこれ考えて苦悩しましたが、飛び込んでみると想像とは全く異なった世界が広がっていたんです」(水谷)

そして、設立から4年で東証マザーズに上場。幾多の困難を乗り越える中で、大きなことを成し遂げた先に待っていたのは、「今の自分たちの想像を超えるもの(=Beyond X)」だという。上場を経験し、ひと区切りがついたタイミングで、今度は社会全体を「想像を超えるもの」にしたいと考え、水谷と梅谷はBeyond Xを創業した。
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「決して2人でand factoryを辞めて、2人で新しく会社をやろうという感じではなかったんです。偶然、今後のキャリアも踏まえていろいろ話していたら、辞めようと思っているタイミングが同じで、それならばもう1回一緒にやろうか、となりました。

上場を経験して、1度自分たちのチャレンジは区切りがついて。また違うチャレンジをしたいな、と思ったんです。何をやるか考えたとき、お互いに5年間で得てきたことを土台に、過去の自分たちのように『見えない恐怖』を前にして、なかなか最初の一歩を踏み出せていない人たちにノウハウを伝え、一緒に何かできたら良さそう、という話になって。やっぱり、これまでの経験で企業経営という正解が一つではない問いに対して、当事者として経営をしたからこそ伝えられることがあるはずだ、と思いました」(梅谷)
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文=初見真奈 編集=新國翔大 写真=小田駿一

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