網羅的な見直し、社内への徹底がコスト削減には不可欠
着実に右肩上がりで成長を続けていく中、なぜサービスのフルリニューアルに踏み切ったのか。その背景にあったのが「新たなニーズの増加」だった。
「マーケティングやセールスに、情報を可視化・数値化し、部門を越えた連携を軸に売上の増大を図る『The Model(ザ・モデル)』という教科書的な概念があるように、コスト削減にもThe Modelのような教科書があるんです」(大平)
大平曰く、コスト削減におけるThe Modelが下記の4つだという。
①(優先度を決めて)契約を網羅的に見直す
②(契約を見直す際に)ベンチマーク並みの契約条件を獲得する
③獲得した契約条件、契約先での調達を社内で徹底する
④使いすぎるといったことがないよう、調達量を適正化する
「サービスをローンチするにあたって、『ベンチマーク並みの契約条件を獲得する』というニーズがもっとも強い仮説のもと、まずは使いすぎな間接費を特定し、適切なコスト削減方法を提示する領域に特化してサービスローンチをしました。これは仮説通り、非常に強いニーズがあり、ローンチして1年ですが想定以上の反響と結果を得られました」(大平)
ただ、サービスを提供していく中で、①と③、④も非常に強いニーズがあることも顧客の声を通してわかっていった、という。
「コスト削減にあたって、まずは優先度を決めて契約を網羅的に見直すことが大事なのですが、多くの会社が思考停止したように『契約金額の大きいものを削減しよう』となってしまう。会社ごとにベストプラクティスは異なるので、必ずしも金額の大きいものを削減することが善ではないからこそ、網羅的に見直すことが大事になります。
また、Leanerを通してベンチマーク並みの契約条件を獲得したとしても、その契約先での調達を社内で徹底しなければ、別のところから大量に調達してしまうかもしれない。それではコスト削減の効果も出ません」