ビジネス

2020.06.01

コロナ禍で需要急増 コスト削減SaaSの「Leaner」がフルリニューアルに踏み切ったワケ


取り扱い間接費総額は1000億円を突破


Leaner Technologiesは2019年2月の創業。代表の大平裕介はA.T.カーニーでStrategic Scouring(戦略的調達)やBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)などコスト改革、事業戦略策定などに従事していた人物で、当時の経験をもとに「テクノロジーの力で企業のコスト管理機能を変革することはできないか。そうすれば利益率を改善することができ、新たな投資原資を創出できる」と思い、開発したのが「Leaner」だ。

「Leaner」はフルリニューアルする前まで、既存の財務・購買データを送付するだけで、同社が開発したビッグデータ解析システム「Leaner AI」が自社と他社の比較によって、使いすぎな間接費を特定。また、会社ごとのKPIをもとにコスト削減余地や、適切なコスト削減方法も提示してくれるため、間接費の管理・削減が可能となるというものだった。



大平によれば、リリースから約1年で社員数が100〜3000人ほどの企業を中心に導入が進んでおり、すでにサービス上で管理される間接費総額が1000億円を突破するなど、⽇本最⼤級の⽀出管理プラットフォームになっているという。

「間接材が対象なので導入先の業界・業種は多種多様ですが、強いて言えば本部機能や営業機能の比率が大きい企業が間接材のコストが大きいために導入に至るケースが多い。特に全社的に利益創出の必要性が高い会社や、トップマネジメント層の利益創出のアテンションが高い会社からの導入は顕著ですね。

そもそもコスト削減を進めるにあたって、従来は『自分の会社内でできることをする』もしくは『専門のコンサルティングファームに依頼する』しか方法がなかった。Leanerは社内で推進することに限界があるにもかかわらず、価格的にコンサルに発注できなかった会社に選ばれています。SaaSで提供しているので価格は低く、費用対効果の面からも、規模が100名以上であれば導入しない理由はないサービスとなっている、と思います」(大平)

また大平によれば、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、「全社的に利益創出の必要性が高い会社」が急増したことで、Leanerへの問合せも急増しているそう。
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