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ビジョン・ファンドCEOのラジーブ・ミスラ(Photo by Michael Kovac/Getty Images)

ソフトバンクグループ(SBG)が5月29日発表した定時株主総会招集通知によると、ビジョン・ファンドCEOのラジーブ・ミスラの役員報酬は、ウーバーやウィーワークへの投資の失敗による180億ドル(約1.9兆円)という記録的損失にも関わらず、前年から2倍以上の伸びとなった。

ミスラの2020年3月期の役員報酬の総額は前期比113%増の1500万ドル(約16億円)となった。

前職のドイツ銀行では債権トレーダーを務めたミスラは、ビジョン・ファンドの投資業務を率いてきたが、投資先のウィーワークやウーバー、ホテルチェーンのオヨなど価値は大きく減少し、巨額の赤字を計上した。

ビジョン・ファンドが先日発表した営業損失は180億ドルで、SBG全体の営業損失は130億ドルだった。2019年に470億ドルとされたウィーワークの企業価値は29億ドルまで減少した。ウーバーの企業価値も過去1年で100億ドル以上の減少となっている。

アナリストらは、ソフトバンクの業績と比較してミスラの役員報酬が「明らかに高い」と述べている。「この金額がパフォーマンスに基づいたものとは考えにくい」とモーニングスターのアナリストのDan BakerはCNNの取材に述べた。

ミスラの報酬は現在ソフトバンクの従業員の中で2位となっている。1位のマルセロ・クラウレ副社長は前年比17%増の約2000万ドルの年間報酬を受け取っている。

ソフトバンク創業者でCEOの孫正義の報酬は、前年比9%マイナスの190万ドルとなった。フォーブスは孫の保有資産を235億ドルと試算している。

今後の動向が注視されるのは、2019年7月に発表された出資予定額1080億ドルのビジョンファンド2号の先行きだ。2号へ出資が確定したのは、ソフトバンクグループの380億ドルのみとなっている。孫はビジョンファンド1号の投資対象の業績が改善するまでは、外部からの調達は行わないと述べていた。

5月18日のソフトバンクグループの決算発表の場で孫は、ビジョンファンドの投資先88社のうち15社が倒産する可能性があると述べた。新型コロナウイルスのパンデミックが一部の事業に多大なダメージを及ぼす中で、ソフトバンクはビジョンファンドの出資先の47社の投資で損失を出した。

編集=上田裕資

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