だがコティがこのほど公開した書類からは、カイリー・コスメティクスの18年の売上高が、実際にはこれよりもはるかに少ない1億2500万ドル(約135億円)であったことが明らかになった。この事業規模に基づくと、同社が16年に3億ドルを売り上げていたとは考えられず、ジェンナー家が提供した納税申告書は捏造されていた可能性が高い。
カイリー・コスメティクスの売り場(Getty Images)
また、新型コロナウイルスの流行により化粧品と小売業が大きな打撃を受けていることから、カイリー・コスメティクスの現在の企業価値は、コティが買収に合意した昨年11月時点よりも下がっているとみられる。市場関係者の間ではもともと、コティの買収額は高すぎるとの見方が強かった。
フォーブスはこうした新情報を踏まえ、カイリーの保有資産額を再計算。結果、その推定額は9億ドル弱となり、カイリーがもはやビリオネアではなくなったとの結論に達した。
フォーブスが5月29日にこの新事実について報じると、カイリーは即座にツイッターで反論。「私はどんな称号も求めたことはないし、そのためにうそをつこうとしたことは一度もない」と主張した。