世界の航空会社が徐々に運航再開。今夏は旅行に行けるのか

国内外の航空便が一部運行を再開している。今後の予定は? (Photo by Unsplash)


大韓航空 6/1〜6/30(5/21現在)


韓国では外出制限が緩和された途端、ソウルのナイトクラブで新たに集団感染が発生したことが記憶に新しい。その後も新規感染者数が増え続けたため、韓国政府は再び5月29日から6月14日の2週間を外出自粛要請期間とした。

大韓航空は仁川発の便を北米方面ではロサンゼルス、ニューヨーク行きの一部路線が全日程で運航、サンフランシスコ、シアトル、ワシントン、アトランタ、シカゴ、カナダ2都市への路線が一部運航する。欧州方面ではパリ、ロンドン、アムステルダム、フランクフルト便がいずれも週3、4日運航。アジア方面ではバンコク、ハノイ、ホーチミン、マニラ、東京便の一部路線が全日程で運航し、その他7都市への週数日の運航が予定されている。

中国国際航空 6/1〜7/1(5/22現在)


新型コロナウイルス感染者が最初に確認され、早い時期の感染ピークを迎えた中国では、4月に武漢の封鎖が解除されると高層ビルがライトアップされるなど、封鎖解除を喜ぶ市民の様子が報道された。しかし「本当にウイルスは収束したのだろうか」といった不安の声も上がっているといい、「生活の復興をすぐに」というわけにはいかない。中国国際航空では、北米、欧州、アジア、中東の24都市への就航を各路線週1〜2日予定している。

JAL
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キャセイ・パシフィック 6/1〜6/21(5/12現在)


香港では現在も通常のデモ活動が再開される中、5月28日中国政府による「香港国家安全法」が可決された。この法案の可決は香港の民主性が事実上剥奪されることを意味する。今後の香港国内、そして米中対立の動向に注目が集まっている。こうした社会情勢不安もあり、キャセイ・パシフィックは2019年度下半期のインバウンド、アウトバウンド双方の旅行者が減少し、業績が芳しくなかったと発表している。

香港では新型コロナウイルスの感染拡大レベルがそこまで大きくなかったとされているが、ロサンゼルス、ロンドン、バンクーバー、シドニー、デリー便が週2運航、東京、台北、マニラ、バンコク、ジャカルタ、ホーチミン、シンガポール便を週3で運航、と慎重な対応だ。

エールフランス(5/26現在)


感染爆発が起こり、厳しい外出禁止態勢が敷かれたフランスでも、5月11日から外出制限が緩和された。しかし26日には再び感染による死者数が世界で4番目となっている。エールフランスでは、3月末から通常の3〜5%のスケジュールで運航しており、今後6月末まで渡航制限の状況を鑑みてヨーロッパを中心に徐々に運航本数を増やしていくという。7月6日まで東京ーパリ間の運航を週3日行うことを発表している。

アリタリア航空(5/22現在)


欧州で最初にロックダウンが行われたイタリアは、5月4日から段階的な都市封鎖の解除が為され、6月3日からは州をまたぐ国内の移動が自由になるとともに、EU加盟国からの観光目的の入国も許可される予定だという。それに伴いアリタリア航空では、6月は前月比36%増便し、イタリア国内15空港、ヨーロッパを中心に海外10空港で計30路線を運航開始する予定だ。また、7月から9月をめどに感染拡大前の約40%の水準にまで戻す計画を打ち出している。
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文=河村優

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