「ハーイ、メルセデス!」と声を掛けると、ドライバーの要望を聞いて答えてくれるわけだ。よっぽど変な質問でなければ、女性の声と楽しく話ができる。「寒い」と言ったら、AIのロジックで自動的に車内の温度を上げてくれるし、「J-WAVEを聞きたい」と聞いたら、放送局を変えてくれる。さらに、「お寿司を食べたい」と言えば、近くの寿司屋まで案内してくれる。
冷暖房、オーディオ、室内照明、GPSナビなどの調整や設定を自分の声で操作できる機能もいいが、話し相手としてもなかなかだ。試しに、「はい、メルセデス。僕のことが好き?」と聞いてみたら、「道路と同じ位好きですよ」と反応したし、「一番好きな曲を教えて」と尋ねたら、「私の名前を歌詞に入れたほとんどのラップ音楽が好き」とか、「ジャニス・ジョプリンが好き」とか、半分冗談で答えてくれた。AIの“彼女”と話をしていると、ウィル・スミスが主演した映画「アイ, ロボット」のワンシーンを思い出す。これは上等だ。
ライバル車に対抗するため「ビッグマイナー」
2016年に登場したしたメルセデスベンツGLCは、発売後間もなく高級中型SUVセグメントの代表的なモデルになった。そして、この4年間で、競争力を上げてきたライバルのBMW X3やアウディQ5などの車種に対抗するために、GLCは驚くほどのアップデートを受けた。そういうのを「ビッグマイナー」と呼ぶそうだけど、英語では「フェイスリフト」ともいう。
そのビッグマイナーでは、MBUXがついただけでなく、全く新しいディーゼルエンジンが搭載され、外観のデザインも一新された。
新しくデザインされたLEDのヘッドライトと、よりスポーティなグリルが加わることによって、GLC220dのノーズはより存在感が増した。テールライトのルックスも一新して、品が良くなった。また、サイドドアの下を走るランニングボードが格好いい。ただし、降りる時は注意しないと、そのランニングボードの泥や埃でズボンやドレスを汚す可能性が十分ある。