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2020.05.31 12:00

クルマがロボットに近づく? 会話もできる新型メルセデスGLCに乗ってみた




GLCの室内はかなり改良された。旧型と比べて、新型のステアリングホイールは3スポークの本革張りになり、スイッチ類のデザインも、その位置がまるで人間工学に基づいて配置されたようだ。それに濃い茶色のウッド調とアルミ製のエアコンの吹き出し口などはとても品があるし、新しくなったセンターコンソールのコントロールは操作しやすい。

でも、何よりも驚くのは、ついにタッチで操作できるようになった高画質、10.25インチのスクリーンとMBUXの組み合わせ。このコンビネーションは間違いなくクラストップだ。

GLC220dの新パワーユニットは、最高出力194PS、最大トルク400N・mを発生する2リッター直4ディーゼルターボと9速ATの組み合わせ。このエンジンは「Cクラス」や「Eクラス」にも採用されている。

最大トルクを1600rpmから発生させるのが特徴で、加速は力強くでスムーズ、0−100km/h は7.3秒と比較的速い。パワー不足を感じることは全くないけど、9速ATはスポーティに走ろうとする時のダウンシフトがたまに遅れることはある。旧型と比べて、この新しい2Lエンジンは、ディーゼルにありがっちなガラガラの音や振動がかなり減った。

重い車重を意識させないクラストップの乗り心地




19サイズのタイヤやエアサスペンションには、エアスプリングと電子制御ダンパーが組み込まれる。この新しい足まわりのおかげで、乗り心地がクラストップに浮上したし、車両の安定性やコーナーでのフラット感が保たれる。4つ足を路面に吸い付かせることによって、思う以上にコーナリングを楽しむことができる。1900kg以上という重い車重をまったく意識させないのが不思議だ。

もちろん、GLCには、ACC、アクティブ・ブレーキ・アシスト、レーンキープなどのメルセデス最新の安全装備が付いているので、長距離クルーズも楽々。BMWとアウディに対して少し遅れをとっていたが、今回改良したGLC220dで、再びクラストップに立ったと言えるだろう。

連載:国際モータージャーナリスト、ピーターライオンの連載
「ライオンのひと吠え」過去記事はこちら>>

文=ピーター・ライオン

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