京都東山の麓で過ごす、悠久の時間

パーク ハイアット 京都

創業142年の料亭とつくり上げたラグジュアリーゲストハウス。 パーク ハイアット 京都が追求するおもてなしのかたちとは。

歴史ある京都の料亭との融合

新宿にパーク ハイアットが開業してから25年。日本で2軒目となる「パーク ハイアット 京都」は、歴史ある京都の料亭との融合、という世界でも初となるかたちをとった。

ハイアットが選んだ場所は、高台寺に隣接した、歴史的建築物が立ち並ぶ京都の中心地の東山区。世界でも最小規模となるパーク ハイアット京都は、東山の老舗料亭「山荘 京大和」の敷地内にあり、自らをラグジュアリーホテルではなく、ラグジュアリーゲストハウスと呼ぶ。


天井に傾斜があるスイートルームは、緑に囲まれ、山中のモダンなコテージに滞在しているような感覚

今回「パーク ハイアット 京都」が実現したのは、京都の知人の邸宅にゲストとして招くような寛ぎの体験だ。高台寺の作庭家でもある北山安夫氏の日本庭園を抜けると、「アライバルパビリオン」という土間のようなスペースが迎え入れる。暖炉が焚かれた「ザ リビングルーム」と呼ばれるラウンジ、すれ違いが気にならないように照度を落とした通路、宿泊者のみが入れるライブラリースペース、芳しいタモ材による客室のインテリアなど、館内にはゲストをリラックスさせるためのさまざまな演出がある。


ハイアットグループ会長の私邸の石と、京大和の庭にあった法隆寺の伽藍石が並ぶ「プリツカー庭園」


木材と金箔が温かい印象の「ザ リビングルーム」

「環境に根付いたパーソナルなサービスを行うというのがパーク ハイアットのポリシーです。7代続く老舗である『山荘 京大和』と協業できたことで、京都でどう地域とつながり、ゲストをもてなすかということを学べました。お互いに共鳴しながら、発展し合える環境を築くことができたと思います」と総支配人のマーク・デ・リューヴァークは語る。

構想から5年。パーク ハイアットが取り組んだのは、京都の文化を取り入れ、地域のコミュニティーとのつながりを築くことだ。歴史的建造物を保存・復元し、京都に根差した建築手法を取り入れながら、低層階に広がる街の風景になじむ景観と、モダンで洗練された空間を実現した。「五感を刺激する」をコンセプトに、入り口には水盤からの水のゆらめきが反射し、館内随所にはさまざまな世代の京都の作家のアートが飾られる。
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photographs by Nobutada Omote | edit & text by Mariko Kojima

この記事は 「Forbes JAPAN 2月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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