ビジネス

2020.06.19

企業型保育園を5年で開園。ナルトトランクスの人を喜ばせるビジネスの形

保育園の玄関の屋根は雨の日でも困らないように大きく作られた。


追求する良い保育のカタチ


申請が通った「ナルトキッズ保育園」は昨冬10月の開園にあたり、保育士、看護師、管理栄養士など10人近くを採用。地方都市に新規雇用を生み出した内情を山口さんは「正直しんどいですよ」とこぼす。

「助成されるとはいえ保育園は社会福祉事業だから、当たり前だけれどきちんとやらなきゃいけない。それに良い保育は保育者が幸せを感じてこそかなうと思うんです。やっぱり、使うところには惜しみなく使うべきで、そうすると、どう考えても儲かりようがないんですよ」。

その真っすぐな思いは施設に表れる。同施設はオフィスのはす向かいに手に入れた500坪の土地に新設され、サーフィン仲間のアーティスト豊田弘治さんがロゴを作り、各所にイラストを描いた。


各部屋には可愛いらしいアートが添えられ、至る所から優しさが溢れてくる。各アートとサインボードは豊田弘治さんによるもの。

天井は高く、窓は大きく、風通しも採光も抜群で、全体に天然無垢材が使われているため雰囲気はハートウォーミングだ。


採光たっぷりで空気の循環も良いため室内は冬でも暖かい。

さらに、イスや机はすべて手作り、園庭には「カリフォルニアへのオマージュ」として天然芝を敷いた。給食は地産の新鮮食材を使用。社食でもあり、山口さんをはじめ園児と一緒にランチをとるスタッフの姿がある。


新鮮素材を使った自慢の給食。アレルギーを持っている子にはその子のための食事を、という具合に、園児の特徴を把握しながらメニューは作られる。
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文=小山内 隆、高村将司、増山直樹 写真=鈴木泰之(静物・取材)三浦安間、山本雄生(取材)

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