追求する良い保育のカタチ
申請が通った「ナルトキッズ保育園」は昨冬10月の開園にあたり、保育士、看護師、管理栄養士など10人近くを採用。地方都市に新規雇用を生み出した内情を山口さんは「正直しんどいですよ」とこぼす。
「助成されるとはいえ保育園は社会福祉事業だから、当たり前だけれどきちんとやらなきゃいけない。それに良い保育は保育者が幸せを感じてこそかなうと思うんです。やっぱり、使うところには惜しみなく使うべきで、そうすると、どう考えても儲かりようがないんですよ」。
その真っすぐな思いは施設に表れる。同施設はオフィスのはす向かいに手に入れた500坪の土地に新設され、サーフィン仲間のアーティスト豊田弘治さんがロゴを作り、各所にイラストを描いた。
各部屋には可愛いらしいアートが添えられ、至る所から優しさが溢れてくる。各アートとサインボードは豊田弘治さんによるもの。
天井は高く、窓は大きく、風通しも採光も抜群で、全体に天然無垢材が使われているため雰囲気はハートウォーミングだ。
採光たっぷりで空気の循環も良いため室内は冬でも暖かい。
さらに、イスや机はすべて手作り、園庭には「カリフォルニアへのオマージュ」として天然芝を敷いた。給食は地産の新鮮食材を使用。社食でもあり、山口さんをはじめ園児と一緒にランチをとるスタッフの姿がある。
新鮮素材を使った自慢の給食。アレルギーを持っている子にはその子のための食事を、という具合に、園児の特徴を把握しながらメニューは作られる。