ビジネス

2020.06.19

企業型保育園を5年で開園。ナルトトランクスの人を喜ばせるビジネスの形

保育園の玄関の屋根は雨の日でも困らないように大きく作られた。


子供が「家に帰りたくない」保育園の未来


こうした手作り感満載の“こだわり”に居心地の良さを感じるためか、降園時には子供たちから「帰りたくない」という声が聞かれることもある。


[左]オリジナルで作ったユニホームは、豊田さんとナルトのコラボから生まれた。[右]春には緑に変わる園庭の天然芝。転んでも痛くないから遊びに夢中になれる。

「子供に対する不安を抱かず安心して働けることって、モノづくりの現場にはとても大切なことだと思うんです。そしてモノを作る人の安心感は、消費者が抱くそのモノへの安心感に関与していく。そう思っていて」。


定員19名の園児に対して13名のスタッフで対応。保育士は山口さんの母で保育士だった壽子さんを慕って集まったベテランばかり。

“安心の連鎖”を生むために実現したいアイデアはほかにもある。まずは夏までにギャラリーを併設すること。そこでは豊田さんのようなアーティストたちに子供向けのワークショップを行ってもらい、「ナルトキッズ保育園」ならではの時間を提供したいと思っている。

そうして子供たちを楽しませ、働くママを支援し、雇用を生んで地域に還元しながら自社も活性化させる。明るい未来を感じる循環を、生まれ育った鳴門に創出したいと、山口さんは考えている。

今までの縫製工場のイメージ覆す、西海岸調の明るい空間での仕事がメイン




1975年に創業した「山口縫製」は、スクール水着を製造するメーカー。2代目として家業を継いだ山口輝陽志さんが、サーフトランクスのブランド「ナルトトランクス」を立ち上げた。

縫製工場ならではの技術はそのままに、山口さんがすべてハサミを入れて裁断。その後は1枚につき一人のスタッフが心を込めて縫いあげる、丁寧さとハートウォーミングさが魅力。ロンハーマンとのコラボアイテムも毎回即完売と注目を集めている。

(この記事は、OCEANSより転載)

文=小山内 隆、高村将司、増山直樹 写真=鈴木泰之(静物・取材)三浦安間、山本雄生(取材)

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