エリソンの弟子として知られる元オラクルの重役で、セールスフォース創業者のマーク・ベニオフは、エリソンの発案に驚きはなかったと言う。なぜならエリソンは、「過去39年間を通して、何人もの米国大統領に、わが国の戦略的方向性に関するアドバイスをしてきたから」だ。
同じくハワイ通のベニオフによれば、エリソンが先んじて見ているものを―つまり、この新型コロナウイルス対策がいかに展開されるのかを―より具体的に見たいなら、西方のラナイに目を向ける必要があるという。
エリソンは過去8年間で少なくとも5億ドル(約540億円)をハワイ諸島一角のラナイ島に注ぎ込んできた。この島を、データを原動力とする衛生と健康の実験場へと変えてきたのだ。
「健康が私たちのプロダクトだ」と、まるで何バイトもの生データを処理すれば健康の秘訣が得られるかのようにエリソンは言う。実際、エリソンはそう考えているのだ。彼はその健康づくりのための会社を、日本語の「先生」にちなんでセンセイと名付けた。センセイ社における「先生」は、エリソンに従うなら―ご想像のとおり―データだ。
川下りガイドからIT長者に──。続きは、後編『「攻撃的で、生意気」オラクル創業者の半生、そして新会社「センセイ」 』にて一部、もしくはForbes JAPAN 7月号「パンデミックVSビリオネア 変革を先導せよ」特集にて全編お読みいただけます。
これまで世界をリードしてきたビリオネアや起業家はこの危機にどう立ち向かったのか。ラリー・エリソンのほか、『「過去は忘れてください」孫正義が独占告白、ウィーワーク、ウーバー、戦術の悔い』、『リモートワークの救世主、ズーム創業者が語る「コロナ騒乱の舞台裏」』、米テック業界No.1の女性富豪がつくるスタートアップなど、注目のForbes JAPAN7月号のお求めはこちらから。