米失業率は2年間高止まり、ピークで25% ゴールドマン見通し

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新型コロナウイルスの影響で急激に悪化した米国の失業率について、米ゴールドマン・サックスは、失われた雇用の多くが速やかに回復するとは見込めないことから、向こう2年間は高止まりする可能性があるとみている。パンデミック(世界的大流行)の間にピークでは25%に達すると予想している。

チーフエコノミストのヤン・ハチウスが最近のリポートの中で示した。

リポートによると、全米の失業率の高止まりは予想よりも長引く公算が大きい。「一時解雇」の労働者が多いとはいえ、そのすべてが早期に再雇用されることにはならないとの見方だ。

高い失業率が続く理由としてハチウスは、職場復帰への意欲を損なう政策を挙げる。米国では新型コロナ対策で失業給付を手厚くした結果、失業者の大半は雇用されていた時よりも収入が多くなっている。そのため、「(賃金補償を通じた)雇用維持に重点を置く欧州式の対策と比べると、まったく新しい仕事を探さざるを得ない人が相当多くなる」

ハチウスの見通しでは、米国の失業率は年内は12%前後に張りつき、来年も8%程度の水準が続く。これは「ほかの大半の先進国の水準をはるかに上回る」数値となる。

「結論として言えば、米国の失業率は当面の経済回復の妨げにはならないだろうが、速やかに解決しそうにもない」とハチウスはまとめている。

新型コロナが米経済に大打撃を与えるなか、全米の失業率は4月に14.7%と大恐慌以降で最悪の水準を記録した。失業保険の新規申請数は過去9週間で3800万件超に膨らんでいる。

編集=江戸伸禎

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