新型コロナ「第2波」で供給不足が予想される3業界

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医薬品の不足を招いているのは、こうした状況だ。インドも中国もこれまでに、感染の拡大を抑制するために大規模なロックダウン(都市封鎖)を実施しており、経済のさまざまな分野が活動停止に追い込まれた。

感染が今後再び拡大すれば、人口の多いこれら2カ国が深刻な影響を受ける可能性は高いだろう。製薬のパイプラインがこれら両国に非常に大きく依存していることが、より重大な問題を引き起こす可能性もある。

食品


新型コロナウイルスのパンデミックの影響は、ほぼすべてのサプライチェーンに及んでいる。食品の流通も例外ではない。そして、この分野が影響を受ける理由はいくつもある。

パンデミックによって、生産・加工施設が閉鎖されたこと、流通に困難が生じていること、多くの消費者がパニック買いに走ったことなどだ。

特に大きな打撃を受けている食肉産業は、より入手が簡単なさまざまな食品や食習慣を検討するよう呼び掛けている(これは決して、米国だけの問題ではない)。

また、先ごろ米誌タイムに掲載された記事によれば、「農業従事者が労働を禁じられたり、農場に行かれなくなったり、感染の恐怖から労働を拒否したりすることで、世界中で作物が無駄になる」という。

これらの問題をさらに悪化させるのが、食品の貿易に変化が起きていることだ。一部の国は、国内の市場とコミュニティーを保護するため、食品の輸出を制限している。基本的な食品を大きく輸入に依存している多くの国にとって、食品へのアクセスにさらに問題が生じることになる。

第2波、またはそれ以降の波がくれば、さらに多くの業界が影響を受けることになるだろう。供給不足が破滅的状況をもたらす可能性もあることから、私たちは警戒を怠らず、秩序を維持し、備えておく必要がある。

編集=木内涼子

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