わが子のスマホ中毒に悩む前に。名門日比谷高校の「名案」に学べ

Photo by Tomohiro Ohsumi/Getty Images


「子供には、『失敗する権利』があるのです。そして、『自分の力で立ち直る権利』もあります。両方があってはじめて成長できるのだと思います。そのせっかくの成長のチャンスをつぶしてしまうのは、もったいないことです」(書籍『学ぶ心に火をともす8つの教え』より)

スマホを取り上げたり、同じSNSに介入したりするのではなく、一方で見放すわけでもなく。親の気持ちを正直に伝えることが大切なのだ。

子供が自ら考えてルールを決める


参考になるのは、日比谷高校で実際に運用されているSNSルール。同書によると、「LINEのタイムラインの公開先には気をつける」「自分が特定できる情報を流す時は鍵アカウントにする」など、自分たちでルールをつくっているのだ。大人たちが作った一方的なルールではなく、なにが適正の範囲なのかを、 自分たちで考えてルールを策定するのだ。

新しいSNSが登場するたびに親が介入していてはキリがない。イノベーションのあるべき姿は、その都度、子供たちが自分たちでルール化するという姿勢を醸成することだ。次世代のソーシャルメディアを牽引するアプリが何かを決めていくのも彼らだ。

ひょっとすると「クラブハウス」で、大人主導でない、ティーンエイジャーたちがイニシアティブを取るヴァーチャル自治会が繰り広げられたり、あのグレタ・トゥーンベリ開催で「環境温暖化会議」が国境を越えて行われる日も、遠くないかもしれない。

文=上沼祐樹 構成=石井節子

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