A刑事は、私に対して『署に行こうか』と言いましたので、警察署に行って自分の疑いが晴れるなら、その方が早いし、こんなこと事件にならないだろうと思った私は、A刑事に警察署へ行くことを同意しました。ただ、その頃、ちょうど便意を催していたので『トイレに行かせてほしい』というと、だめだと言われました。そして、パチンコ台に戻って換金する間も、私が逃げないように、というためでしょうが、刑事の一人からズボンの腰のベルトを通す部分の後ろのところを捕まれており、トイレに行くこともできない状態でした。
換金を終えて、警察官と一緒に警察の車に乗り込むと、A刑事から『どうなっても知らんぞ』などといわれました。私は、なんでこんな事件の疑いをかけられたくらいでこんなことを言われるんだろうと思い、不思議に感じたので、この刑事の言葉はよく覚えています。
市民の安心安全を守るはずの警察官がなぜ。同じ刑事の失態は繰り返された (Shutterstock)
警察署へ行くとすぐに取調室へ入れられました。
相変わらず便意を催していたので、何度もトイレに行かせてほしいと言いましたが『あかん』の一点張りで、私は次第に苦しくなってきました。A刑事は『しゃべったら、行かしたる』と言ってました。しかし、いくら求められても、やっていないことを認めるわけにはいかないので、困ってしまいました。
私は、一体いまは何時くらいになったのかと思い、携帯電話で時間の確認をしようとして、携帯を見たら、サッとA刑事に携帯を取り上げられ、あっというまに電池を抜かれました。
その後、A刑事は、思い通りにしゃべらない私にしびれを切らしたのか、私の背中を壁際に押し付けて、胸ぐらをつかんできました。
胸ぐらを掴まれて驚く私に対して、A刑事はさらに、足蹴りをしてきました。A刑事が左右どちらの足で蹴ったのかは分かりませんが、私は右足のすねの辺りを思い切り蹴られました。
それまでの間、私は取調室にA刑事と2人きりでしたが、A刑事に足蹴りをされた後、別の刑事が入ってきて、その時に初めて、パチンコ屋の防犯カメラの写真を見せられました。その写真の人物は、野球帽の形の帽子をかぶってうつむいており、ひげが写っていました。私も野球帽をかぶってひげがありますが、似ているのはそれだけでした。