父親を失った「元少年」のYouTubeチャンネルが全米で密かな人気

Sally Anscombe/Getty Images

子供の頃に父親と離れて暮らすようになった男性が立ち上げた、ユーチューブチャンネル「Dad, How Do I?(お父さん、どうすればいいの?)」が人気を集めている。このチャンネルはネクタイの結び方や故障したトイレの直し方などを伝授する、ライフハック系の内容となっている。

アリゾナ州の女性がこのチャンネルを発見し、「これまで観た中で最もピュアな内容で、心を打たれた」とツイートしたところ、大きな注目を集めることになった。

「彼の父親は、彼が12歳の頃に家を出ていった。大人になった彼は、子供たちに暮らしの基礎知識をユーチューブ動画で伝授している」と、アリゾナ州のGissel Carmonaという名の女性がツイートした。5月17日のその投稿は1週間で230万件以上のいいねを集め、60万回以上もシェアされることになった。

チャンネルのプロフィールページには、このチャンネルのオーナーがシカゴ在住のRob Kenneyという男性で、「全ての人がマスターしておくべき、暮らしに欠かせない実用的なスキルを伝えていく」と書かれている。

Kenneyのチャンネルの注目度は先週、一気に上昇した。父親を失った10代の兄弟2人が、アルコール中毒の母と厳しい時代を過ごしたという話は、人々の心を打つものだった。

「私は金持ちになりたいなんて思わなかったし、成功しなければならないなんて考えはなかった。私はただ、子供を立派な大人に育てられる人間になりたかった。なぜなら子供時代の自分は恵まれない境遇だったからだ」と、KenneyはShatteredのインタビューで述べている。

ツイートを発信したCarmonaはフォーブスの取材に「大勢の人々が私宛てのメッセージで、これまでの悲しみや喪失について語り始めた。そして、私がどうやって辛い出来事を乗り越えてきたのかを尋ねるのだった」と話した。彼女自身も両親に見捨てられた子供だったという。

「これほど多くの人々が悲しい思いをしていると思うと、胸が張り裂けそうだ。けれども、自らの経験をベースに、人々を正しい方向に導く人に出会うのは感動的な事だ」とCarmonaは続けた。

Kenneyは4月にユーチューブチャンネルを立ち上げて以来、2カ月足らずで185万人以上の購読者を集めることになった。彼の動画は累計で500万回以上再生されている。

Kenneyのユーチューブチャンネルは特に、親と離れて育ったユーザーに愛されている。「動画を見ていると涙がこぼれてきた。お父さんが恋しいとは思わないが、こんな事を教えてもらえればよかったのにと思うことは多い」とあるユーザーは話している。

Kenneyはこれまで9本の動画を公開しており、その中で最も人気の「水が止まらなくなったトイレを修理する方法」は約70万回再生されている。

編集=上田裕資

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