次の50年を生きる当事者として。コロナ危機を「機会」にするムーブメント


「コロナをただの危機で終わらせたくない」


──今回のプロジェクトのプレスリリースを目にした時から、コロナは今までにない脅威である一方で、チャンスと捉えている人は沢山いるということも感じています。

石山:本当にその通りですね。私たち自身も、この大きな危機を止血する・解決するという視点だけではなくて、未来逆算型で次の50年をどう生きていくのか。未来視点から見た今をどうアップデートするのかという視点をとても大事にしています。

高木:僕も、コロナをただの危機で終わらせたくないといのは、結構みんなが思っていることなのかなと感じています。でも、考えていることをどう実現していくのか、そこが宙に浮いてもいる。



PMIはそもそも、スタートアップ(民間)と行政をつなげることが、イノベーションを起こしやすくするという考え方から生まれた組織ですが、そういった、間にこぼれ落ちてしまうものをすくい上げていくことが、このプロジェクトの役割なんじゃないかな。

トップダウンで情報を下ろしていく形式から、双方向に接続することができるようになれば、それ自体が大きな進歩なのかなとも思っています。

──弁護士という立場からは、コロナをチャンスと捉えようとする機運についてはどう思いますか。

:弁護士は割と物事を保守的に考えがちというか、守りを重視する職種です。それはとても重要なことですが、もっとこんな風に社会を変えていこうという視点を持って、ムーブメントが起こせればいいなと思いますね。

石山:このプロジェクトにおいて、弁護士の活躍可能性って、すごくありますよね。知果ちゃん(南)のように、法律は変えられるという前提を持っている弁護士は少数派で、ほとんどが白黒判断することが仕事と捉えている。そんな中で、今回の取り組みを見て、法律的な観点でこんな風に解決できるんじゃないかと捉えてくれる弁護士の方々が増えたらいいなと考えています。

新しい民主主義型「オープンイノベーション」を加速する機会に


──6月末まではアイデアを募る期間ということですが、今感じている課題や今後の展開についても聞かせてください。

石山:アイデアは続々と集まってきていますが、スタートアップ界隈の人たちからも、もっとたくさんアイデアが集まるといいなと思っています。当然ながら、スタートアップのみなさんというのは、自分たちの事業継続・拡大のために、一分一秒を注ぎ込んでいるので、どちらかというと、公的なセクターとの接続の必要性を感じていなかったり、アンテナを持っていなかったりするんです。

志を持って運営している事業や事業者(民)と行政(官)をどうつなげていくのかということは、ずっと課題と捉えていることなので、今回のプロジェクトで少しでも縦割りを溶かしていけたらと思います。

そして、民間のアイデアに行政が耳を傾けて取り入れていくということについても、渋谷区・福岡市・神戸市が賛同してくれたように、現状、そこまでハードルが高くない。もちろん、決定のプロセスはまだまだ未成熟だと思いますが、プロジェクトを上手く機能させることができれば、新しい民主主義型オープンイノベーションを加速させられる機会になるんじゃないかと期待しています。

1億人レベルの人口がいる日本という国でそういったプロセスを作り込むことができたら、先進国のモデルケースになるんじゃないかとも。そのためにも、まだまだたくさんのアイデアを募りたいですね。

文=伊勢真穂

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