次の50年を生きる当事者として。コロナ危機を「機会」にするムーブメント


発案から形になるまでわずか2週間


──今回のプロジェクトの始動は非常にスピーディーで、2週間ほどで形にしたそうですね。

日比谷:3月27日にやろうと決めて、1週間で座組みを作って、4月の頭に発表予定でしたね。ただ、緊急事態宣言の発令と重なるということで、発表を1週間後にずらしたんです。その間に、各種団体にお声がけをして賛同の声を集めていったという経緯があります。

PTC(『POLICY』『TECH』『CULTURE』)というフレームは、これまでPMIで開催してきたワークショップや政策分科会などで使ってきているもので、馴染みも手応えもあったし、みんなにPTCで世の中のアップデートを考えてもらういい機会なんじゃないかと考えました。

様々なバックボーンを持つメンバーがいて、PTCというフレームがあって、メンバーの声がけにより賛同者が集まった。これまでの活動があったからこそのスピード感だと思います。

石山:現在、渋谷区・福岡市・神戸市という3つの自治体が手を挙げてくれていますが、今すぐ自治体としても何かをしたいけれども、単体では良いアイデアはなかなか出せないし、内部からのアイデアでは合意形成に時間がかかる。むしろ民間から出てきたアイデアを自治体が実装する形はありがたいし、どんどんくださいということでしたね。

田中:内部のアイデアで合意形成に持っていくよりも、どう外部のアイデアを取り込んでいくのかは、とても大事な視点だと思います。万が一、外部からのアイデアと同じものを内部で持っていたとしても、外部から取り入れて下ろしていく方が早いから。

しかも、ただアイデアがありますというだけではなく、どういうアイデアをどこと提携して進めていけばいいかというところまで話ができるから、実現スピードも早いし、まさに自治体と民官の連携という意味でこれから主流になっていくべきやり方なのかなと思います。

日比谷:僕は渋谷区の現場の方々とやり取りしていますが、渋谷区の場合は、オープンな自治体だからこそ、色んな窓口に色んなアイデアが持ち込まれているそうです。ただ、そうするとパンクしてアイデアを整理しきれない。緊急度やジャンル別などで整理して届ける必要がありそうです。

渋谷区だけではなく、東京都や神戸市も元々独自にこういったことはやろうという動きはあります。でも、同じようなことをそれぞれが取り組むよりは、一元化する。PMIが取りまとめて、各自治体へと供給していった方が、社会全体としてもリソースに無駄がなくていいという声も聞きました。
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文=伊勢真穂

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