単にアイデア・提言を募るだけではなく、それらの情報を一般公開。PMIで精査を行ったのち、賛同行政や団体へつなげ、社会実装を目指す。
世界中の誰もが経験したことのない未曾有の事態。未来が見えにくい今だからこそ、私たち一人ひとりが次の50年を生きる当事者として、自分事として捉え、その解決方法を見出していく。この取り組みを通じて、PMIは一体何を実現しようとしているのだろうか。
未来のことを「自分ごと」として考えることに意味がある
──「コロナを危機で終わらせない」というメッセージとともに立ち上がった今回のプロジェクト。具体的に何を目的としたものでしょうか。
石山アンジュ(以下、石山): 目的は2つで、今回のこの危機をむしろアップデートの機会に変えるようなアイデアを広く集めて、情報共有サイトで同時公開していくこと。もうひとつは、アイデアの中から良質なものを自治体や関連団体に届け、実装に向けて働きかけていくことです。
4月13日からスタートしていますが、すでに355件のアイデアが集まっています。
──アイデアを集めるにあたって、独自のフレームワークを提示していることも特徴的ですね。
石山:そうですね。3つの時間軸と3つの視点によるフレームでアイデアを考えてもらうようにしています。時間軸は、『AGAINST CORONA(今すぐ)』『WITH CORONA(コロナとの共存を踏まえて)』『AFTER CORONA(収束後の未来)』。視点は、『POLICY(制度・ルール)』『TECH(イノベーション・サービス)』『CULTURE(文化)』です。
現時点で集まってきているアイデアの内容をご紹介すると、教育というテーマであれば9月入学の話もありますし、イノベーションというテーマであれば昆虫食やバイオ食の開発。高齢者というテーマで、ロボットで買い物を助けるようなサービスの展開など、本当に様々ですね。
日比谷尚武(以下、日比谷):ジャンルもアイデアの粒度もバラバラで、すぐにでも実装できそうなものもあるし、こんなものがあればいいよねという空想的なものもあります。
実装に向けては、まずアイデアを精査していく段階にパワーをかける必要がありそうです。が、僕たちとしては、精緻に描かれたソリューションが欲しいというよりも、ひとつのフレームワークを元にみんなで未来のことを考える。自分事として考えるということが第一義だと思っています。
なので、即効性があるのかどうかといった精度はそこまで気にせず、みんなで自分ごととして考えるというムーブメントが起きることがまず大事かなと。どうやって実装に落としていくのかについては、次のフェーズで取り組んでいくことかなと考えています。