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「BLASTを創業したときから、『情報』『プロダクト』『コミュニティ』という3つの軸で女性をエンパワーメントしていく考えでした。また、物理的に女性たちをサポートしたり、ライフスタイルに寄り添ったりすることにもコミットしたかった。私たちにとって身近だけれども、まだまだ選択肢が少なくポジティブではない問題にも向き合うことで、女性をエンパワーメントしていけるのではないか、と思ったんです」(石井)

女性にとって身近だけれど、まだまだ選択肢が少なくポジティブではない問題──そのひとつが「生理における悩み」だと石井は考えた。

海外では月経カップや吸水ショーツなど、 “第3の生理用品” とも呼ばれる選択肢が台頭してきているが、石井によれば日本では8割程度の女性が紙ナプキンを使用している、という。

「私たちの身体には毎月生理がやってきて、生理用品は当然買うのだけれど、それは決してワクワクする行為ではありません。ほかの選択肢をあまり考えることなく、紙ナプキンを買っている人も多いと思います。そこに新たな選択肢を増やし、女性たちを物理的にサポートしたいという思いから、Nagiを立ち上げることにしました」(石井)

150人の女性たちの声を聞き、開発に1年半


生理用品ブランドの最初の商品として、吸水ショーツを手がけることにした理由。何よりの決め手となったのは、実際の声だった。

生理用品ブランドの立ち上げにあたって、アンケートを募ったところ、タンポンや月経カップなどへのハードルを感じたという。

「アンケートの回答を見てみると、日本人には膣の中に入れる生理用品に対し、すごく抵抗があることがわかったんです。また若い世代はタンポンも試したことない人も想像以上に多かった。私自身の実体験もあり、新たな選択肢として吸水ショーツを提案すべきだと思いました」(石井)

こうして吸水ショーツを開発することになったわけだが、開発は一筋縄ではいかなかった。ブランドを立ち上げる上で、「工場を探すのが大変だった」という話はよく耳にするが、石井もその壁にぶつかった。
また、動画コンテンツと違い、プロダクト開発は時間軸も大きくことなる。染色の工程で1カ月かかったり、サンプル完成後から完成まで2,3カ月かかった、という。

「実際にプロダクトを開発するのは、こんなにも大変なのかと思いましたね(笑)。時間軸が違うこともそうですが、素材や生地の組み合わせも20回以上サンプル作り直してもらったと思います。吸水性、厚み、縫製まで納得がいくまで繰り返したので、想像以上に時間がかかりました。ただ、すごく納得のいくプロダクトが出来上がったと思っています」(石井)



実際、Nagiの吸水ショーツは速乾シート、吸水シート、防臭シート、防水シートという4枚構造になっているほか、吸水部分の周りを防水シートで囲み、 織り込むことで経血のつたいモレをブロックする仕組みになっている。

また、生地は日本の安全な生地メーカーのものを使用し、 高い技術をもつ国内の工場で生産。 1枚ずつていねいに人の手で縫製している。さらに、パッケージ包装はプラスチック素材を一切使わず紙素材のみを使用するなど、環境面にも配慮しているという。

吸水ショーツが出来上がった当初、石井は「生理は体の問題なので、好みも分かれるだろう」と予想していたが、その予想は良い意味で裏切られることになる。

「100人にサンプルを使ってもらったのですが、もう紙ナプキンに戻れない、想像以上に吸収力があってびっくりした、紙ナプキンを持ち歩くことにストレスを感じていたことがわかったなど、ポジテイブな意見をたくさんいただきました。そこから、1日でも早く多くの人に使って欲しいと、発売が楽しみになりました」(石井)


文=初見真奈 編集=新國翔大

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