生理中の経血漏れに限って言えば、多くの女性は市販のナプキンやタンポンを購入し、使っていると思うが、肌のかぶれや痛みなどの悩みも根強く残っている。そうした中、もっと快適に生理と付き合う方法を模索すべく、新たな生理用品ブランドがローンチされた。
エンパワーメントメディア「BLAST(ブラスト)」を手がけるBLASTは5月28日、生理用品ブランド「Nagi(ナギ)」をローンチしたことを発表した。
第一弾の商品は“吸水ショーツ”。1枚でナプキン約3枚分の吸水量(30ml)があるほか、消臭機能、制菌効果(菌を減らす効果)のある機能素材を使用。また、使用後はぬるま湯に20分ひたし、汚れを落としてから洗濯ネットに入れて洗濯機で洗えば繰り返し使える、という。吸水ショーツの形はスタンダード、スリム、フルの3タイプあり、価格はスタンダードが5400円(税別)、スリムが5250円(税別)、フルが5800円(税別)となっている。
(左から)スタンダードタイプ、スリムタイプ、フルタイプ
メディアの運営から、ブランドの立ち上げへ──なぜ、BLASTは新たに生理用品の開発に取り組むことにしたのか。代表取締役の石井リナに話を聞いた。
選択肢が少なく、ポジティブではない問題に向き合いたい
BLASTは2018年3月の創業。当初は“エンパワーメント”をキーワードに、番組・ニュース・インタビュー・スナップなどの4つの形式を軸に、女性のためのトレンドから社会問題までを取り上げる動画メディア「BLAST」を立ち上げ、運営していた。
「世界経済フォーラムが毎年発表している『ジェンダーギャップ指数』のランキングを見て、すごくショックを受けたんです。日本の男女格差はこんなにもあるんだ、と…….。そうした中、ミレニアル世代の女性向けメディア『Refinery29』が発信する情報や海外のトレンドに触れているうちに、日本にも女性をエンパワーメントするメディアが必要だと思い、まずはメディア事業から始めることにしたんです」(石井)
「自分らしく生きるために、私たちはもっと知りたい。」というキャッチコピーの通り、BLASTはローンチ後、社会問題からセックスまで多様なトピックを取り扱い、女性たちに多様な価値観、選択肢を提示してきた。現在、フォロワーは7000人を超えており、女性たちを中心としたオンラインのコミュニティが出来上がっている。
Nagiの立ち上げに集中するため、BLASTのコンテンツは更新されていない状況だが、このコミュニティを活用しながら、石井がプロダクトの開発に取り組み始めたのが1年半前のこと。情報の発信からプロダクトの開発へ、事業領域が変わる取り組みになるが、石井の中では一貫した考えの中で行動し続けている、という。