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チケット制ライブ配信サービス「fanistream」

損失額は3300億円に達する──これはライブ・エンターテインメント市場の統計調査を行うシンクタンク「ぴあ総研」が算出した数字だ。新型コロナウイルスの感染拡大により、楽コンサートや演劇、ミュージカル、スポーツなどの公演は自粛を余儀なくされている。

3月23日時点で、中止・延期などによって売り上げが減少した音楽コンサートやスポーツなどの公演は8万1000本(確定値)にのぼる。緊急事態宣言の発令・延長によって、その影響はさらに長引きそうで、5月末まで自粛が続いた場合、さらに7万2000本(推計値)が追加され、合計15万300本の公演が被害を受けることになる。

ライブ・エンターテインメント市場を取り巻く状況は厳しいが、座して死を待つわけにはいかない。ライブ活動ができないアーティスト、ファンのために「#ライブを止めるな」と題して、チケット制で無観客ライブを視聴できるサービス「fanistream」をリリースしたのが、THECOOの平良真人だ。

同アプリは、「エンタメ産業に関わるアーティスト・スタッフの方々の少しでも力になりたい」という平良の強い思いで、約1週間で開発し、リリースに至ったという。開始から約2カ月で既に13回のライブが開催されており、視聴者からは「自宅でリアルなライブを体感できる」と歓びの声が上がっているとのこと。

Googleで働いた後、THECOOを創業した平良。今回、創業に至った理由と、fanistreamの始動に至るまでの経緯、そしてアフターコロナにおけるイベント事業のあり方について話を聞いた。



「課金制」が、コミュニティに熱を生む


── 今回『fanistream』を始動するまでの経緯をお話いただく前に、まずは会社の創業から『fanicon』を始動するまでの経緯をお聞きしたいです。はじめに、どのような課題意識を持って会社を立ち上げたのかを教えてください。

実は、私は元々起業には興味がなく、創業当時に関心を持っていたものは「事業づくり」ではなく「組織づくり」でした。

というのも、それまで複数の大企業で働いてきたなかで、規模が大きすぎるゆえに「融通が効かない」と感じる機会が多くて。さまざまなしがらみが原因で、顧客の本質的なニーズに応えられないことを歯痒く感じていたんです。

そこで会社を辞めようとしていたところ、職場の仲間から「辞めるなら一緒に新しい会社を作ろう」と誘われたことが創業のキッカケでした。

ですから、当時は特に立ち上げたい事業があったわけではなく「大きくなっても本質的なサービスや事業を提供できる会社をつくりたい」と思っただけでした。一番最初に立ち上げたSNSアカウント運用のコンサル事業も、とりあえず生計を立てられるビジネスプランとして、前職の経験を活かせそうな領域を選んだんです。

文=倉益璃子

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