ビジネス

2020.05.31

ウォルマートのECを好調に導いたある買収とその後

Getty Images


ウォルマートの社長兼CEOを務めるダグ・マクミロン(Doug McMillon)が、ジェット・ドット・コム買収当時に語っていたことを思い出してみよう。

「我々が求めているのは、価格を下げ、品ぞろえの幅を広げ、もっともシンプルで簡単なショッピング体験を提供するための方法だ。なぜなら、顧客がそれを求めているからだ」と、マクミロンは語った。

「ジェット・ドット・コムの買収により、そうした優先事項の前進が加速すると確信している。ウォルマート・ドットコムの成長が加速し、当社が追求しているシームレスなショッピング体験が、より早期に実現するだろう。また、より短期間でジェットブランドを成功に導けるはずだ。得をするのは、当社の顧客だ。この買収により、起業家精神がまた新たにウォルマートに注入されることになる」

この観点から見ると、マクミロンには先見の明があったようだ。ジェット・ドット・コムのプラットフォームは生気を失い、最終的には消え去ることになったが、ウォルマート・ドットコムは栄えている。パンデミックよりも前にこのインフラを構築していたおかげで、ウォルマートは現在、顧客へのサービス提供に関して明らかに先頭に立っている。

私は当時Forbes.comに寄せた記事のなかで、「ウォルマートの販売方法、調達、資金力と、ジェット・ドット・コムのイノベーションとの相乗効果は、今後10年でEコマースのあり方のさらなる変革に貢献するかもしれない」との見解を書いていた。ウォルマートは適切な動きにより、現在の競争力を得ることができた。そのすべてがジェット・ドット・コム買収だけによるものではないのはたしかだが、現在の最終結果には十分な説得力がある。

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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