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ウォルマートはこの四半期、Eコマース売上が74%増、既存店売上もほぼ10%増という華々しい成績を発表したが、その影に隠れているのが、同社が2016年に買収したネット通販「ジェット・ドット・コム(Jet.com)」を正式に廃止するというニュースだ。

このニュース自体は、驚きというわけではない。もう1年以上前から、幹部の配置換えや人員削減などで、その兆しがあったからだ。さらに少し前には、スマートフォンのテキストメールで商品を注文できるパーソナル・ショッピング・サービス「ジェットブラック(Jetblack)」のサービスを停止するという発表もあった。

とはいえ、ジェット・ドット・コム終了のニュースは、手続き完了から4年と経っていない33億ドル規模の買収と、それがウォルマートの未来にとって意味することについて、考えをめぐらせる契機になる。

金銭面や印象という観点からすれば、これは犠牲の大きい失策と見なせるかもしれない。買収時点でジェット・ドット・コムは利益をいっさい出しておらず、ウォルマート傘下に入っても損失を出し続ける可能性が高かった。

ウォルマートは、2019年夏に行った高級紳士服ブランド「ボノボス(Bonobos)」や女性向けファッションの「モドクロス(ModCloth)」など、もっと高級なブランドの買収においても、高級な顧客を効果的に引きつけられることを証明してこなかった。今回も例外ではない。

当時、私はこの買収について、「史上屈指の、高くつく才能の買収」になるかもしれないとコメントした。別の視点から、ウォルマートのオムニチャネルでの成功が継続していることを踏まえて考えると、この買収はまさに適切なタイミングでの適切な動きだったと言えるかもしれない。ジェット・ドット・コムとそれに付随する才能(と技術)は、ウォルマートがEコマース分野でのアマゾンの手ごわい競争相手として、そしてオムニチャネル小売のリーダーとして、台頭する要因のひとつとなってきた。

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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