さらに映画館チェーンの追加により、同社で最も収益性の高いプライム・ビデオというサブスクリプションモデルのユーザー増加につなげられる可能性がある。これは、オリジナルコンテンツを使ったユーザー誘致と同じやり方だ。例えば、傘下の映画館で毎月一定数の映画を観賞できる特典をプライム・ビデオに付けることも可能だろう。
アマゾンにとってこのサブスクリプションモデルは、非常に儲かるビジネスになっている。ユーザーの多くは登録後、より多くを消費するようになる。また、アマゾンはサブスクリプションモデルを知り尽くしており、数々の特典を追加してユーザーに解約を検討させないようにしている。
コンテンツ上映のビジネスは、しばらく前からデジタル環境へと進出しているが、クラウドコンピューティングの世界最大手でもある企業との相乗効果によって大きな利益を得られることは間違いない。クリエーターにとっては、制作した映画をクラウドに乗せると同時に、自動的に欧州の映画館244カ所2200スクリーンと米国の映画館661カ所8200スクリーンで上映できることになるのだ。
世界一の大富豪であるジェフ・ベゾスにとって、世界最大の映画館チェーン買収は、私たちが映画館でポップコーンを買うのと同じような感覚になるだろう。