ボーイング・有人宇宙船「スターライナー」(C) Boeing
NASAは、過去10年に渡って宇宙飛行士を低軌道まで商用輸送することに取り組んできたが、今回のミッションでそれがいよいよ実現することになる。2010年にオバマ政権下でスタートした「商業乗員輸送開発(Commercial Crew Development)」プログラムでは、スペースXの他にボーイングがNASAから出資を受けている。
NASAは、スペースXに26億ドル(約2800億円)、ボーイングには有人宇宙船「スターライナー」の開発に42億ドルを提供している。NASAがこれらと同等の宇宙船とロケットを自前で開発した場合、数百億ドルの資金を要するという。
スペースXは、NASAとISSへの有人宇宙飛行ミッションを複数回実施する契約を締結している。しかし、クルー・ドラゴンには7人が搭乗できるため、スペースXは宇宙観光客を同乗させる計画だ。
宇宙観光の価格は2000万ドルを超えるが、既に数人が申し込んでいる。その中には、トム・クルーズも含まれるという。スペースXは、将来的にプライベート飛行の回数を増やし、ISS以外にも宇宙ホテルや商業用宇宙ステーションへ飛行する計画だ。
クルー・ドラゴンの打ち上げ以外には、2021年春以降にボーイングの有人宇宙船「スターライナー」の初となる打ち上げを予定している。
スペースXは、月や火星への有人飛行を目指すため、次世代宇宙船「Starship」を開発中だ。今週打ち上げ予定のクルー・ドラゴンは、同社が人類を安全に宇宙へ輸送できることを証明する上で、非常に重要な機会となる。