テクノロジー

2020.05.27 07:30

スペースXの「宇宙への旅」について知っておくべき事柄

左:ボブ・ベンケン、右:ダグ・ハーリー(Official SpaceX Photos)


ストリーミング視聴が可能


NASAが運営する「NASA TV」とスペースXのウェブサイト上で打ち上げの様子を視聴することができる。NASAは、打ち上げを生で見るためにフロリダまで来ないよう呼び掛けている。
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英国と欧州の人々は、宇宙船を肉眼で確認できるかもしれない。宇宙船は、打ち上げから20〜30分後に月の近くを通り過ぎる予定で、夜空を移動する光の点が見えるだろう。

クルー・ドラゴンは、打ち上げから約12分後に初期軌道に到達し、その後は自律運転でISSに向かって高度を上げる。宇宙船は、5月28日午前11時29分に自動操縦のままISSとドッキングする。

ドッキング後、宇宙飛行士らはハッチを開けて午後1時55分にISSに入る予定だ。ISSには、NASAの宇宙飛行士であるクリス・キャシディ(Chris Cassidy)とロシアの宇宙飛行士で2人が滞在している。
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クルー・ドラゴン(photo by Official SpaceX Photos

緊急事態の対応は?


ファルコン9のファーストステージ部分は、打ち上げから約8分後に大西洋に浮かぶスペースXのドローン船「Of Course I Still Love You」に着陸する予定だ。

緊急事態が発生した場合、クルー・ドラゴンの打ち上げ脱出システムが作動し、ファルコン9から切り離される。スペースXは今年初め、ファルコン9を空中で爆発させて緊急脱出テストを行い、成功している。ロケットから切り離された後、クルー・ドラゴンは大西洋のフロリダからアイルランド西側の海洋の間にある9つのリカバリーゾーンのいずれかにパラシュートで降下する。

宇宙飛行士がISSに滞在する期間はまだ明らかになっていないが、最短で1ヶ月、最長で4ヶ月になると思われる。詳細な期間は任務の状況や、次のISSへのミッションの進捗によって決まるという。

次回は日本人飛行士も参加


今回の「Demo-2」ミッションがテストであるのに対し、次期ミッションである「Crew-1」は、スペースXにとって初のISSにおける本格的な運用ミッションとなる。搭乗するのは、NASAのマイク・ホプキンス(Mike Hopkins)、ビクター・グローバー(Victor Glover)、シャノン・ウォーカー(Shannon Walker)と日本人宇宙飛行士の野口聡一だ。
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編集=上田裕資

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