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「個の時代」に、生きるチカラとしての“営業力”を

Indeed/Getty Images

緊急事態宣言は解除されたものの、コロナ禍の影響により、ビジネス環境はガラッと変わりました。法人営業をされている人にとっては、顧客からのこんな台詞が増えてきているかもしれません。

「すみません、以前からご提案頂いていた件ですが、新型コロナの影響で予算が縮小になりまして……」

「今回のご提案ですが、コロナ禍のなかで、経営陣がコストにかなり厳しくなっていて……」

このように、せっかく進めていた案件が止まったり、いいところまで進んでいたのに商談がなくなってしまったりするというのは辛いものです。

これらは総じて、お金が原因となる「失注」の悩みです。お客さまの未来をより良くする提案でありながらも、現状が厳しくなるなかで、「将来のための投資」にどう予算を確保してもらうか。ここに頭を悩ませている担当者も多いのではないでしょうか。

私の会社(TORiX)も、特に3月〜4月は、お客さまからの連絡がくるたびに、「もしかして……」と胃の痛くなる日が続いていました。しかし、何もしなければ状況は悪化する一方です。

当社では、このような状況でも「失注は本当に減らせないのか?」という観点から、試行錯誤を重ね、新型コロナの影響によるマイナス分を、5月にはある程度挽回することができました。

顧客の予算額を急に増やすことはできなくとも、「気をつけていれば防げる失注」はかなりあるのです。

「値引きをすれば売れる」は本当か? 


世の中がこんな状況であれば、「なるべくコストを抑えて安く買いたい」と思うのは自然な心理です。ただし、顧客の予算削減に合わせて、限界まで値引きをするというやり方では、こちらが疲弊してしまいます。

何に対してもまったくお金を使わない会社はありません。お客さまに納得の行く提案が出せるように、対策を考えてみましょう。

まず、顧客がどんな判断基準で購買を決定しているのかについて考えます。以前、当社では「発注先の会社を選定するにあたって、あなた(購買担当者)が普段、重視していることは何ですか」というアンケートを購買経験者に対してお願いしました。

発注にあたって、1位、2位、3位というふうに、選定基準の項目に順位をつけていただいているのですが、以下のグラフの赤枠のところにご注目ください。

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出所:マクロミルパネル利用のインターネット調査 2017年11月 TORiX調べ

2つとも価格のことに言及しているのですが、意味合いが少し異なります。

アンケート結果によると、顧客は「他社との絶対的な金額よりも、費用対効果で考える傾向」があります。彼らからの「ちょっと高いですね」「この金額だと上司が納得しづらくて」といった言葉が、「費用対効果への納得感」か「他社との金額比較」のどちらのことを言われているのか確認することが重要になってきます。闇雲に値引き合戦の泥沼にはまらないよう、注意したいものです。

成功のカギは「裏にある真意を特定する」こと


「サービス導入したときの費用対効果について、参考になる情報はありますか?」とお客さまから聞かれたときに、皆さんはどう答えますか? 

ここで、素直に質問に答えると、実は失注が増えやすくなります。「お客さまがどのように判断するか」が自分でつかめていないうちは、何を答えても、先方から懐疑的に見られるリスクを減らせないからです。

具体的に説明しましょう。「当社のサービス導入によって、A社ではこんなに売上が伸びました!」と他社の成功事例を提示しても、「A社はそうかもしれないけれど、当社は事情が違うし……」と言われたらそこまでです。

文=高橋浩一

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