動物園・水族館のいきものたちはみんなに会える時を待っている

全国の動物園、水族館のスタッフは「その日」に備えて全力で準備していた(写真・野毛山動物園)


横浜・八景島シーパラダイス

──いきものたちの命を守り、準備してきました。再開後に元気な姿を生で見て欲しい──
http://www.seaparadise.co.jp
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広大なアイランドに水族館やアトラクションを併設、都内から少し足を伸ばし、多くの人が訪れる複合レジャー施設として横浜・八景島シーパラダイスは人気だ。同園の看板であるイルカのショーのほか、多様な海獣たち、体験プログラム、こどもたちのための海洋塾といった学びなど、一大海洋エンターテインメントの場所と言える場所だ。

同園はコロナ禍による緊急事態宣言の前から休園した。何より大切に考えているのは、来園者の安心安全、そしていきものたちの命だという。対策や展望を聞くと、株式会社横浜八景島の取締役・執行役員の高橋直人が答えてくれた。

横浜八景島シーパラダイスの本館
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「自粛期間中は、いきものの命を守ることに一番注力してきました。飼育員たちとスタッフの事務所を分け、感染のリスクを抑える、従業員の感染に気を遣うと同時に、動物たちにも細心の注意を払います。そもそもいきものは多様な感染症リスクがあるんです。その点では、水族館は日頃から衛生管理が徹底されていて、だからこそコロナ禍に対しても適切な行動が取れるんです。徹底して命を守ってきました」

同社の、「いきものを通じて世界に笑顔と感動を」というスローガンの通り、シーパラダイスの特徴はいきものの本来の姿を見せること。この休園期間中もSNSをメインにその姿を発信していた。

「本来、飼育員目線で飼育員しか見られない姿をお見せしたり、いきものの様子を感じてもらえるようにつとめてきました。いきものたちは、飼育員の話によると例えばパフォーマンスなどで〈自分たちができること、これを見て欲しい〉といった感情をあたかも持ち合わせているというんです。そう聞くと、再開の時をいきものたち自身も楽しみに待っているのではないかと思います」

トレーニング中のイルカたち
トレーニングの中のイルカ。その想いは人間と同じ、そう感じさせてくれる。

再開への意気込みに、高橋は熱を持って答えてくれた。

「SNSのフォロワーはこの休業期間中に25%も増加しました。みなさんの想いを最高の状態で受け止められるよう今回のコロナ禍を前向きにとらえて臨んでいます。飼育スタッフと事務スタッフがお互い助け合う仕組み、自宅待機中に業務に生かせる学びを行う者もいます。普段は手がつけにくい施設整備や工事も行っており、自分たちの仕事を見直す機会にもなりました。いきものを守り、整備してきた環境を楽しんでもらいたいと思っています」

メンテナンスの様子
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文=坂元耕二

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