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また、同じく「ラブアイランド」に出演し一躍有名人となったモンタナ・ブラウンはBBCの取材に対して、次のようなメッセージをオンライン上で受け取った時の恐怖を想像してみてほしいと語る。

「お前がどこに住んでいるかはわかっている。次に見かけたらお前の顔面に酸をぶっかけてやるからな」



「私はソーシャルメディア上での騒動に巻き込まれる心の準備が全くできていませんでした。言い換えれば、人々がオンライン上で意地悪なことをしてくることに全く準備できていなかったのです。幸運にも、私は今まで学校でもオンライン上でもいじめられたことはなかったんです。でも、番組に出演した途端に、何百万もの人々が一気にフォローすることになるので、ある意味では今までとは完全に異なるネットワークへと突然開かれて、その中にはよくない人や嫌なことを言ってくる人もいるのです」

「ラブアイランド」に代表されるようなリアリティ番組と比べると、派手さがなく若者のリアルな生活を落ち着いたトーンで映し出す点が「テラスハウス」の魅力とされてきた。ロンドン大学東洋アフリカ研究学院で現代日本文化を教えるグリセルディシュ・キルシュ博士は、BBCに対して「思うに、番組がこれほどに魅力的に感じられる理由の一つは、番組の登場人物をより身近に感じられるからかもしれない」と語っていた。


世界の人々を魅了してきた日本発リアリティーショー。(写真は「テラスハウスTOKYO2019-2020」から引用)

「番組の登場人物をより身近に感じられる」という点は番組の魅力となる一方、視聴者が番組の内容を「現実」であるかのように感じてしまうという意味では危険な点でもある。リアリティ番組の出演者を誹謗中傷から守る手立ては何があるのだろうか。

当然、ソーシャルメディア上の誹謗中傷に対する法的な整備やユーザーに対する倫理的な啓蒙など試行錯誤がされるべきであるが、ツイッター社などのプラットフォーマーに再発防止につながる施策を求めていくことは重要かつ現実的なステップの一つであろう。

米ツイッターは5月20日、ツイートにリプライできる相手を3段階で調節する機能のテストを開始したと発表しているが、このようなソーシャル・メディアの設計面での改善によって悪質なユーザーによる嫌がらせを防止できる部分も大きい。二度とこのような悲惨な出来事が起こらないよう、番組製作者、出演者、プラットフォーマー、視聴者など、あらゆる側面から再発防止策を考えて行かねばならない。

文=渡邊雄介

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