ビジネス

2020.05.25 16:30

目指すはスマホの中の美容部員 「スキンケア」パーソナライズ化の勝算


スマホの中の美容部員を目指す


HOTARUでは処方決定のプロセスに台湾のAI企業「Perfect Corp(玩美移動)」の画像解析サービスを採用。スマートフォンでの撮影を基にシミ、シワ、クマ、キメをスコア化する。合わせてユーザーへのアンケートも取り、それぞれの点数要因を考慮して細かくロジックを決めるが、ベースとなるのはユーザーの悩みに対応することだという。

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「乾燥肌の悩みを持つ人でも、よくよく聞くと乾燥で油分が出てくることが真の悩みだった、というようなズレがある。そういった本当の悩みに対して適切な処方を決めている」とブランド責任者の西田将之は語る。

この処方決定ロジックは今後、収集した顧客データや画像解析のポイント拡大などで改善していくという。データを活用したアップデートはMEDULLAでも行なってきたことだ。

「体験設計とデータ活用は他社が追いつけないところだと自負している。MEDULLAではエモーショナルな価値として、“スマホの中にある、あなただけの美容室”をテーマに、オンラインとオフラインを融合したコミュニケーションを行なってきた。HOTARUも同様に、常にお肌の状態をサポートする“あなただけの美容部員”のような立ち位置のサービスにしていければと思っています」(深山)。

HOTARUでは購入者に“再カウンセリング”を行い、使用後のデータも収集。そのデータで次回の処方を決定すると共に、UIの設計や製品処方、ロジックの改善、または追加製品の開発などに役立てていく予定だという。

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MEDULLAでは当初、シャンプーとリペアのみを展開していたが、アンケートではヘアオイルを普段から使用するユーザーが多かったこと、また同じ香りのカスタマイズ製品を求める声が多く集まったことから、昨年9月にヘアオイルを発売している。今後、HOTARUでも同様のユーザーの声によって新たな商品ラインが開発される可能性は十分に考えられる。
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文=臼井杏奈

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