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格差の拡大を防ぎ、無理のない日程で授業時間を確保するためには、学年暦を変更する必要がある。次のような大胆な変更が望ましい。

1. 今年度の小中高の進級・卒業を6月に延期する。つまり今年度だけ17カ月とする。
2. 大学入試共通テストの実施を6月に延期、各大学の入試を7月に行う。
3. 21年度からは、小中高大すべてが、「9月入学、6月卒業」のサイクルに移行する。

これによって、高校3年生、中学3年生が、学校行事や、クラブ活動、スポーツの全国大会をこなして、充実した学校生活を送ることができる。一生の宝となるような思い出作りもできる。たとえば、今年の甲子園は中止になったが、来年3月に、まだ卒業していない同じメンバーで、行うこともできる。

そもそも、大学のほうでは、国際交流を活発化させるために秋入学を検討したことがある。12年には東京大学が提唱して検討を進めた。しかし、そのときには、高校の卒業が3月から変わらないことを前提とした秋入学構想だった。結果的に、4〜8月は「ギャップイヤー」と呼び、学生の自由に任せる、という構想だった。

しかし、ギャップイヤーは賛否両論で、おもにこの問題から、秋学期構想は頓挫した。いま小中高校の進級、卒業を遅くするのと同時に、6〜7月の大学入試、9月入学を開始すれば、大学教育にとっても望ましい。

高校や大学の学年暦が「9月入学、6月卒業」というのは、欧米、中国をはじめ世界の3分の2の国が採用している。国際交流をより活発にするうえで、日本もこの標準にそろえるのが不可欠だ。

1年間留学しても留年せずに同じ年数で卒業できる。外国から日本に来る留学生も、より優れた人材が来日し、将来の知日派に育つ。夏休み(7〜8月)には、サマー・プログラムへの参加が容易になり、双方向の交流が起こる。

最後に、大学入試を1〜2月から、6〜7月に移行することで、大雪やインフルエンザのリスクから解放されるという利点もある。

文=伊藤隆敏

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