コロナ禍で忘れられた植物、仏企業が救済へ 「病院」を設置

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パリでは、新型コロナウイルス流行を受けたロックダウン(都市封鎖)の緩和によって職場復帰した人の多くが、オフィスで干からび、しおれてしまった植物を見つけた。そこで、ある企業がこうした植物を引き取って生き返らせるサービスを提供し始めたところ、大きな反響を呼んでいる。

こうした植物の中には、セカンドハウス(別荘)から戻った人が自宅アパートで見つけたものも多い。仏通信大手オレンジが行った携帯電話データの追跡結果によると、パリ市民の20%以上は隔離措置の間、市外に逃れていた。フランスでは5月11日からロックダウンの解除が始まり、移動制限も大幅に緩和された。

同サービスを手掛けるメルシー・レイモン(Merci Raymond)創業者のユゴー・ムニエが英紙ガーディアンに語ったところによると、同社はこうした植物を買い取り(価値のある植物でない限り、価格は少額だ)、「病院」で「水と世話、太陽」をもってして生き返らせている。ムニエは「元々は訪問での引き取りを計画していたが、『植物病院』は大きな反響を集め、引き取り場所を設置しなければならなかった」と述べた。

メルシー・レイモンは、市民の生活に緑を取り戻すことを目指している。20人の従業員は、パリ首都圏で特に治安の悪い住宅団地であるグランド・ボルヌの大規模な緑化など、フランス各地で取り組みを行なっている。

編集=遠藤宗生

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