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Chesnot/Getty Images

デジタルマーケティングの情報サイトDigiday は5月上旬の記事で、TikTokがAR(拡張現実)を用いた新たな広告メニュー「ARブランドエフェクト(AR brand effect)」の準備を進めていると報じていた。

ARブランドエフェクトとは、広告主が提供するインタラクティブなビジュアルを、TikTokユーザーの動画に追加可能にするものだ。広告はクリック可能で、ユーザーの動画と共に再生される音楽をフューチャーするという。

音楽業界のニュースサイトMusic Business Newsの5月21日の記事によると、TikTokは現在、没入型デザインの知見を持つエンジニアの求人を行っている。同社は新たに採用する社員をARブランドエフェクト部門に迎え入れ、ARを活用した広告やエクスペリエンスの開発を行おうとしている模様だ。

現状のモバイル広告は、オーディオにしろ動画にしろ受動的なものであり、エンゲージメントはかなり限定的だ。しかし、インタラクティブなユーザー参加型の広告はこの状況を変える可能性を秘めており、広告主とユーザーの双方にメリットを与えることが想定できる。

その試みを進める上で、TikTokは有利なポジションに居ると言える。なぜなら、TikTokの利用者の大半は、自らコンテンツを生み出すか、他の人々が生み出したコンテンツをベースに新たなミームを生み出しているからだ。

つまり、TikTokの利用者に動画に埋め込み可能なARエフェクトを与えれば、ブランドのメッセージをバイラルに拡散することが可能になる。

広告主から見ると、ARはこれまで不可能だった事を可能にするツールだ。ARは様々なプロダクトを立体的な視覚効果で浮き上がらせるため、従来よりも長い時間、視聴者の関心を引き止めることが可能だ。

TikTokはARブランドエフェクトの提供を、2020年の第3四半期から開始すると報じられている。AR広告は既にスナップチャットがいくつかのプロジェクトを進めており、インスタグラムもARを用いたフィルターを間もなく実装する見通しだ。

TikTokのAR広告は、著名インフルエンサーたちが動画内にアクションボタンを設置し、ブランドとのエンゲージメントを呼びかける効果が期待できる。視聴者を直接、Eコマースサイトに誘導することも可能になるだろう。インフルエンサーたちの収益化の機会が大きく高まる可能性もある。

TikTokはこれまで音楽業界のプロモーションで強みを発揮してきたが、今後はさらに多様な分野で威力を発揮しそうだ。TikTokには、新たなテクノロジーに敏感なインフルエンサーやユーザーそろっており、次世代の広告ツールの実験を進める上で理想的な場と言えそうだ。

編集=上田裕資

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