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2020.05.25

コロナ禍で冷凍食品の売上が増加、米国人が「ほっとする」食べ物に

Photo by Jeremy Hogan / Echoes Wire/Barcroft Media via Getty Images

新型コロナウイルスのまん延により、外食する代わりに自宅で料理をする家庭が増えている。その影響で、冷凍食品の消費が増えている。

米国冷凍食品協会(AFFI)による新たな調査では、米国人の70%が3月以降、冷凍食品の購入量を増やしていることが分かった。冷凍食品は多くの人にとって、ほっとする食べ物になったのだ。

AFFIの調査によると、米国人の90%は現在、新型コロナウイルスが流行し始める前のデータと比べて家で食事を取ることが増えている。米国内の消費者の86%は3月以降、冷凍食品を購入している。同調査からは、消費者が購入する冷凍食品が増えている理由として冷凍商品の賞味期限が長いこと、物資不足が起きたときのための買いだめ、準備や片付けがしやすく便利なことが挙げられた。消費者の3分の1ほどは、冷凍食品が現在、生鮮食品よりも安全だと考えていた。

AFFIの調査では次のように説明している。

「複数の層において、消費者の冷凍食品の購入量は通常時よりも増えていて、消費者はさまざまな商品やブランドから購入している。ミレニアル世代は元々冷凍食品の購入量が平均より高く、3月初旬から購入量が増えている可能性が非常に高い。冷凍食品はまた、家族向けの解決策であることが明確だ。18歳以下の子どもが同居する家庭の81%では、3月初旬から冷凍食品の購入量が増えたのに対し、子どもが同居していない家庭で3月初旬から冷凍食品の購入量が増えたのは61%だった」

人気のカテゴリーは冷凍野菜と肉だったが、ピザなどの食品もリストの上位にある。消費者の間ではラザニアやポットパイなど、用途が多様な前菜の購入量が増えていた。また、冷凍デザートやスナックも購入されている。一部の人はストレスと不安に対処するため、食べるとほっとするものを求めるのだ。

AFFIの調査は「3~5人で構成される家族は過去5週間で、代替肉商品を除くほぼ全ての項目で買いだめをした可能性が最も高い。キャンパスや学校、保育所、課外活動、スポーツが閉鎖されていることで、朝食から昼食、夕食、おやつまで、食事を取る全ての機会に影響が出ていることを覚えておく必要がある」と補足した。

消費者には現在、冷凍食品を購入する複数の動機がある。その中には、食料品店への買い物の回数をできる限り抑えて新型コロナにさらされるリスクを抑えることも含まれている。もう一つ重要な理由は、店での商品の在庫だ。例えば、缶詰の野菜を見つけられない買い物客が冷凍食品を買っているからだ。

消費者の50%は今後数カ月間、冷凍食品の購入量がこれまでよりもはるかに、あるいはある程度多くなると予測している。そのためAFFIは、冷凍食品の購入量が高い傾向は今後も続くかもしれないと指摘している。

翻訳・編集=出田静

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