働く意欲高く、上昇志向強く、利他的? MERY調査で見えた現代女性の仕事観

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「誰かの役に立つ仕事につきたい」という声が多数


バブル崩壊後の日本を目の当たりにした1990年代半ばから2000年代前半までの就活生は、いつ起きるかわからない景気悪化や、将来への漠然とした不安から、給与や労働時間を重視し、安定した仕事を望む傾向があるとされていました。

しかし、景気悪化も伝えられている状況下での今回のアンケートでは「誰かの役に立つ仕事につきたい」という項目に「共感する」と答えた大学生が、実に半数以上の64.1%。さらに、希望する職種に関して「看護師などの医療従事者になりたい」という項目に注目したところ、社会人の共感率が2.2%であるのに対し、大学生は14.8%と、大きく差が開きました。

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新型コロナウィルスの影響の中、医療従事者への感謝が伝えられるとともに、その過酷な現実もありのまま日々報道される現在においての回答です。MERY世代の女子大生は、自分の暮らしを安定させるためだけに仕事をするのではなく、利他的な精神で社会に貢献したいという考えが強くなっていることが窺えます。また、特に進路決定までに時間がある大学1年生(17.6%)や2年生(18.6%)は、医療従事者を希望する人数が比較的多い傾向であることがわかりました。

「社会の課題解決となる仕事がしたい理由」に対する回答(一部抜粋)

大学1年生「社会は私たちひとりひとりが構成するものだと思うので、大きなことはできなくてもその一員としての自覚は大切だと思うから、社会の課題には意欲を持つようにしています」

大学2年生「課題解決に貢献することによって少しでも社会的物事が良い方向に動いてほしいという願いがあるため」

上記のような意見が多かったことからも、社会的な使命感を強く感じている若者が多いことが読み取れます。10歳前後に東日本大震災を経験している今の大学生は、物心ついた頃から予想の難しい社会課題と隣り合わせで生きてきました。今この時も、新型コロナウイルス感染症の流行をはじめ、様々な課題に直面しながら生きている若者たち。調査の結果からも、社会とその課題を自分たちの生活の一部として認識し、仕事を通して解決していくことに意欲的な大学生が多いといえるのではないでしょうか。

一人の女性として輝くために、「好きなことを仕事にしたい」


では、社会貢献に直結するような仕事に興味を持っている大学生ばかりなのでしょうか? 今回の調査では、63.7%の大学生が「好きなことを仕事にしたい」と答えています。これは「誰かの役に立つ仕事につきたい」と回答している学生とほぼ同数。「困難なことがあっても前向きに乗り越えようと思えるから」「好きなことなら自分が輝けると思う」などの理由で、好きなことを仕事にしたいと考えている女子大生が多いようです。特に大学1年生は回答者数176人の内、118人が好きなことを仕事にしたいと回答しました。

仕事はプライベートを充実させるためのものだと考えている人がいる一方で、人生一度きりなのだからプライベートと仕事のどちらも充実させたいと考える大学生が多くなっているのではないでしょうか。

こうした傾向は、MERYの人気記事からも感じ取れます。美容や自分磨き系の記事の人気が高く、「自分磨きは『自分ノート』で!いつも笑顔で前向き女子になること間違いなし♡」という記事の閲覧数はなんと19万ほど。また、「『ここが私の好きな場所』と言えるように。お部屋がオシャレに見える4つの魔法」などのライフスタイル系の記事も注目されています。これらMERYのトレンドからも、イマドキ女子は日々を充実させるために意識を高く持ち、好きを追い求める傾向にあるといえるのかもしれません。
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