テクノロジー

2020.05.23 06:00

インテル傘下モービルアイ、2022年に自動運転タクシーを本格始動

モービルアイの創業者でCEOのアムノン・シャシュア(Photo by David Becker/Getty Images)


他社より低コストな自動運転車両


この分野の大手企業の大半は高価で高性能なLiDARを、コンピュータビジョンで補完するアプローチだが、モービルアイの場合はコンピュータビジョンをメインで用い、そこにローエンドのLiDARを組み合わせている。
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このアプローチによりモービルアイは、他社より低コストな自動運転システムの構築を目指している。

これに対して自動運転に特化したスタートアップの大半は、まず採算を度外視して、最高レベルの安全性を持つLiDARを主軸としたシステムを構築し、収益化は後から考えるというアプローチだ。

また、自動車分野のOEMメーカーの大半は、個人所有向けの自動運転車開発を目指しているが、モービルアイはグーグル傘下のウェイモなどと同様に、ロボットタクシー向けの車両の開発に注力している。
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独自の地図ソフト


モービルアイは今回の発表で、同社の車載チップを搭載した数百万台の車両のデータを用い、独自の地図ソフトを開発中であることも明かした。地図分野では複数のスタートアップが浮上しつつあるが、CEOのシャシュアは、自社の地図サービスを内製することが重要であると述べた。

グーグルはかつて、外部から地図データを入手しグーグルマップを作ろうとしたが、2000年代の中盤から巨額のコストをかけて自社でデータ収集を行った結果、この分野の覇権を築くことが出来た。

地図ソフト分野ではNAVTEQが2007年にノキアに買収され、HERE部門に吸収された後、2015年にドイツの自動車メーカ連合(アウディ、ダイムラー、BMW)に31億ドルで買収されていた。

モービルアイはADAS分野で得た知見に独自の地図ソフトを加え、ロボットタクシー分野に本格的に進出しようとしている。テクノロジー分野では一般的に、革命的な取り組みを行う際に、開発スケジュールを外部に開示すべきではないとされているが、シャシュアが敢えてそれを公開した背景には何らかの狙いがあるものと見られる。

モービルアイの自動運転分野の取り組みに今、世界の注目が注がれている。

編集=上田裕資

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