テクノロジー

2020.05.23 06:00

インテル傘下モービルアイ、2022年に自動運転タクシーを本格始動

モービルアイの創業者でCEOのアムノン・シャシュア(Photo by David Becker/Getty Images)

モービルアイの創業者でCEOのアムノン・シャシュア(Photo by David Becker/Getty Images)

インテル傘下で車載向け画像処理チップを開発する「モービルアイ(MobilEye)」の創業者でCEOのアムノン・シャシュアは、5月18日から開催されたモビリティ関連のカンファレンスEcoMotionで、2022年の初旬からロボットタクシーサービスの提供を開始すると宣言した。

同社が運行するロボットタクシーは、人間のセーフティドライバーが同乗しない完全自動運転によるものになり、エルサレムで始動した後、テルアビブやフランス、韓国、中国に拠点を広げていく計画だ。

モービルアイの野心的なアナウンスは、新型コロナウイルスの感染拡大以降に、多くの著名なスタートアップが自動運転分野のチャレンジを後退させつつある中で行われた。この分野では5月に入りシリコンバレー本拠のズークス(Zoox)が身売りを模索中と報じられ、GM傘下のクルーズ(Cruise)も先日、約1800人の従業員の8%近くを解雇するとアナウンスしていた。

モービルアイは既にADAS(先進運転支援システム)分野で確固たる基盤を築いており、自動運転分野で最も有力な企業の1社にあげられる。CEOのシャシュアは今後、自動運転分野に統合化の波が押し寄せることも予測した。

調査企業ガートナーは、パンデミックの発生以前からこのカテゴリが、テクノロジー業界でよく言われる「幻滅期」に入ったと述べていたが、世界的な景気減速により、そのトレンドは加速する見通しだ。そんな中、巨大な資本力を持つモービルアイは、この分野のゲームを競合より有利に進めていくかもしれない。

2017年にインテルによって160億ドル(約1兆7000億円)で買収されたモービルアイは、パンデミック以降の景気後退を生き延びるための十分な資金を持っている。

同社は先進的なコンピュータビジョンやレーダー技術をベースに、ADAS分野で覇権を確立した。テスラのオートパイロット機能も、元々はモービルアイの技術だった。ただし、同社のロボットタクシー分野のアプローチは、他社とは異なっている。
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編集=上田裕資

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