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2020.05.24 18:00

コロナ後の世界の重要課題となる「公衆トイレ」の感染防止策

Photo by Stephen Chernin/Getty Images

米国ではロックダウンの解除が進み、各地のレジャー施設やビーチの再開が始まった。しかし、多くの人々が懸念するのが、公共の場のトイレの使用の問題だ。新型コロナウイルスはトイレ内の空気中やドアの取っ手、水道の蛇口の表面にしばらくの間は残り続ける性質を持つ。

専門家らは、ウイルスが感染者の糞便を経由して広がる場合もあることから、トイレの水を流す際は、便器のフタを閉めてから流すべきだと警告する。しかし、多くの公衆トイレにはフタが備わっていない。

「検討しなければならない課題は山ほどあり、公衆トイレはその一例だ」と、感染症の専門家のPeter Collignonは、ガーディアンの取材に述べている。Collignonによると、トイレのドアや水道の蛇口に触れた場合は、十分に手を洗ってから立ち去るべきだという。

そもそも、公衆トイレの利用はできる限り避けるべきだが「やむを得ず利用する場合は、空気中に舞い上がったウイルスを避けるため、個室に立ち入る前に2分程度の時間を置くべきだ」と、パデュー大学教授のQingyan Chenも述べた。

さらに、店舗のオーナーらは以前よりも頻繁にトイレの清掃を行うべきだ。マクドナルドはフランチャイズ店に対し30分ごとの清掃を求めており、その他の店でもトイレへの入場間隔に制限を設ける措置が広がっている。

また、ハンドドライヤーをペーパータオルに置き換える措置や、小便器の間隔をあける動きも起こっている。今後は野外コンサートの再開も視野に入ってくるが、水洗機能を持たないトイレの設置には十分な配慮が必要になるだろう。

公衆衛生の専門家の間では、「トイレット・プルーム」という用語が用いられているが、これは狭いトイレの空間で、ウイルスを含んだ排泄物から煙が立ち上る現象だ。

Collignonによると、6割の新型コロナウイルスの感染者の糞便から、感染能力のある粒子が検出されたという。しかし、空気中に放出されたそれらの粒子の8割は、トイレのフタを占めることで、封じ込められるという。

新型コロナウイルスの感染拡大の脅威は以前よりも沈静化しつつあるが、コロナ後の世界で経済を再開させるにあたっては、様々な場面でこれまでにない対策を講じる必要がある。

編集=上田裕資

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